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本書は茂木氏がキャスターをつとめたNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で大きな反響を呼びアンコール放映にもなった熱血弁護士の実録手記12話である。倒産阻止のために全国を奔走し、日夜、金融機関と戦う村松弁護士はこうこたえる。「企業救済は海難救命のようなもの。溺れし者を救うのになんの理由もいらない。あきらめたらそこで終わり。必要なのは信念と使命感、大きな情と少しの努力だけ。それが私の流儀であり、「天国からのメッセージ」でもある」――(村松謙一)。自らの愛娘を亡くしている村松弁護士には、人命と引き替えにしてまで貸し付け金の回収に走る金融機関が理解できないし、許せない。そんな思いは以下の言葉に表れている。「あるゾンビ企業がある。私が関与して10年が経ち、いまだゾンビの域を出ないが、いまでもかろうじて生きている。しかし、小学校6年生だったその従業員の子どもは今春、無事大学を卒業し、かけがえのない青春時代を過ごせた。ゾンビ企業を生かしてきた意味がそこにある。私の企業救済は「人間の救済」「生への救済」を目的とし、「事業再生」はその副次的結果に過ぎない。あくまで人間の心の救済を成し遂げたい。世間からゾンビ企業と評されようと、そこには人間たちが生きている。誰しも平穏に生き抜く権利を有している。だからこそ、企業を救済する意味がある。膿は私が吸い取ろう」。本書は道半ばにして亡くなった経営者、そして筆者自身の亡き娘へのレクイエムでもある。
...続きを読むPosted by ブクログ 2011年01月20日
事業再生の第一人者である、村松謙一弁護士の著作です。
資金的に行き詰った会社に対して提示する人情味あふれる再生案。理屈と感情の狭間の中で「形式よりも実態を」と訴えていきます。
村松弁護士の前に立ちはだかるのは金融機関の「行内規定」「金融庁指導」そして…皮肉なことに法律そのものです。
NHKの...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年10月23日
円滑化法の3年間の弁済猶予。
肝心なのは、その3年の間に企業側がどれだけ血を流すか。
「営業利益が少しでも、たとえわずかでも出ているのであれば、その会社は生存している社会的意義があるはず」
「旅館・ホテルであれば、その旅館が存続することで、その旅館に泊まった家族、友人らとのよき『思い出』が守れる...続きを読む
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