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浜尾麻衣は家業を継ぐべく鎌倉にある石材店・石浜に入社した。誠実な人柄で施主の信頼を集める父・隆一と、腕のいい職人の緒方と共に石浜を盛り立てるべく墓石を売る日々を送っていたある日、母の曜子が倒れてしまう――。高価な公営霊園から永代供養、樹木葬、散骨など、時代とともに家族のあり方や墓への考え方が移り変わるなか、石浜をどうしていくべきか? お墓って、なんなんだろう? お仕事小説の名手が贈る感動作!
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Posted by ブクログ
『葬る』…親しい人を見送った経験のある人は、少なからずこの問題に向き合ったことがあるはずだろう。お墓や霊園、納骨堂での埋葬に限らず、樹木葬や散骨、手元供養など、時代とともに葬法の考え方も家族のあり方も移り変わっていく。 主人公の麻依は、鎌倉にある石材店の娘であり、墓石を売るのが仕事だ。彼女が25歳...続きを読むからいまの令和5年に45歳になるまで、様々な葬儀の依頼の中で会社を立ち上げていくのが、いくつかのエピソードで描かれている。 麻衣の会社もそうだが、葬儀会社などの事業者側からは、『散骨』はビジネスになると取組を始めることも多くなったようだ。調べたら2021年に事業者向けガイドラインまで厚生労働省から出されている。(その後、国土交通省からも) 小説内でも語られるが、『お墓』をつくることで、子孫が代々世話をし、寺にお布施を続けなければならない。もしこの習慣が無かりせば、墓石屋やお寺自体の経営もままならなくなるから、それは無くならない。しかし、これは故人への供養?なのだろうか。『家』の歴史や血筋を受け継ぐようなものは、必ず守らねばならないのか…そんな問題提起もあった。だから、自分の死期を悟った人が、樹木葬や散骨して欲しいと言うのも、理解できる気がする… 『葬る』という形は様々だが、その旅立ちは残された誰かが見送らなければならない…当たり前のことではあるが、改めて深く考えるキッカケになった。
色々な葬り方がありますが、僕は墓に入りたくないです。出来れば海に散骨して貰いたい。百歩譲って土に還りたいです。どこの墓とか関係なく狭い空間に入れられるのが嫌だし、墓参りにも全然来て欲しくないので、根本的に墓要らないです。 そんな色々な人々の心にある人生のフィナーレを考えさせられる本です。
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上野歩
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