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Posted by ブクログ
【書店の「どんでん返しフェア」的なポップにつられて買った直後に夏風邪で倒れ、寝込んでいる間に読んで若干後悔した3冊の本その③】
実はこの小説には後悔させられていない。他の人のレビューを読むと、後悔させられた人は少なからぬようだが。
パンデミック系の小説の何が好きって、個々の罹患から発病そして大流行に至る科学的な機序についての詳細でマニアックな描写ほど面白いものはない! 私はそういう読み方をする読者なので、この小説がパンデミック系にしては淡々としすぎているとか、結末が簡単に予測できてしまうとか、涙なんか全然出てこないという点は全く気にならない。むしろ大げさなパニック展開よりも、淡々とした描写のほうがひしひしとリアルで怖い感じがして悪くない。
コバルト時代の『おかみき』以来、この人の作品はほとんど読んでいないが、バリバリ少女小説の『おかみき』でもけっこうこってりとウンチク描写をしていたっけ。あの小説に出てくる「ねこり」こと「稲子さま」こと「菅原稲子」ってのが筆者の本名だと知った時は、その歪んだ自己愛に大爆笑したもんだなぁ。
Posted by ブクログ
実は長編ではなく“中編”。
少年が夏休みの宿題に書いた「いつか青い海を見に行った思い出」をクラスメイトの少年が「嘘だ」と詰る。子供たちにとって「海」が青いことは知識でしかない。
近未来、人類は夜しか活動できなくなっており、平均寿命は現在の約半分の長さになっていた。太陽の光を浴びることは死を意味した。なぜそんなことになったのか。破滅へと向かうその端緒は、野鳥の大量死で示されていた……。
もしかしたら、あり得ない話ではないかもしれない、そう思わせる作品。抒情的に淡々とした筆致で描かれているが、読後感は殊の外、重かった。
期待以上の感。税込400円(当時)はバーゲン価格だろう。
Posted by ブクログ
「読み終えて初めてわかるこのタイトルの本当の意味にあなたは必ず涙する!」
函館の蔦谷書店で、帯の惹句にひかれて衝動買い。
ええ、こういう惹句に弱いんです。
アタリもあればハズレもありますが。
ジャック・アタリ…なんちて。
タイトルから、ハートウォーミングな恋愛小説かな、と想像しましたが、帯の裏を見ると
「この作品は科学的に裏付けされた本当に起こる可能性のある終末の物語です。そして本編を読み進めていった先に待っている『いつか海に行ったね』という言葉。この言葉の重さそして切なさを知った時涙を流さずにはいられないでしょう。」
とあり、読んでみると、果たしてこの世の終末の物語でした。
新潟の海で野鳥が大量死しているのが見つかり、都内のマンションで次々と住人が死に、それがどうやら特定のカビが原因で起きる感染症らしいということが分かって来ます。
その致死率は何と95%。
治療法は皆無です。
では人類はどういう選択をとるのか―というのが物語のおおよその流れです。
最後に出て来る、「いつか海に行ったね」の言葉が痛切です。
ただ、正直なところ、涙を流すまでは…。
でも、たとえば登場人物の一人である守口真紀子が、抗いがたく人生の坂道を転がり落ちていく描写などは迫真もので息をのみました。
久美さんは「小説ジュニア」でデビューして30年以上のキャリアですから、さすがに読ませますね。
ちなみに惹句にもありますが、本書は現実に起こり得るパンデミックなのだそう。
専門家の協力も得ており、「パラサイト・イブ」で一躍文名を馳せた瀬名秀明さんにも助言をいただいているそうです。
興味のある方はぜひ。
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