世界の食卓から社会が見える

世界の食卓から社会が見える

ビジネス・実用
2,200円 (税込)

11pt

世界各地の家庭に滞在し、その家の人とその土地の食材で料理をして食卓を囲むと、
それまで気づかなった疑問が湧いてくる――

・どうしてここのほうれん草は日本のより味が強いんだろう
・肉とチーズを一緒に食べることが宗教的にだめってどういう理屈だろう
・なぜアボカド産地なのにいいアボカドが買えないのだろう
・ブルガリアの人って本当にヨーグルトをたくさん食べるんだろうか

そんな疑問から、食べ物と政治、宗教、環境、教育、気候、民族などとのつながりを解き明かしていく。
台所探検家・岡根谷実里が探る「おいしい/おいしくない」を超えた料理の向こう側の話。

第1章■食と政治 ブルガリア ヨーグルトは本当に「伝統食」か?
メキシコ アメリカナイズされるタコス
ベトナム 元技能実習生たちが作る精進料理
スーダン パンの普及が生活を揺るがす
★コラム1 おみやげに喜ばれる日本のお菓子は?

第2章■食と宗教
イスラエル マクドナルドにチーズバーガーがない――食べ合わせの謎に迫る
インド 世界一厳しい? ジャイナ教の菜食と生命観
★コラム2 機内食に見るフード・ダイバーシティ

第3章■食と地球環境
ボツワナ アフリカの大地で出会った、タンパク質危機を救う最強の魚
メキシコ アボカド人気が大地を渇かす
★コラム3 世界のサバ缶30種を食べ比べてみた

第4章■食の創造性
フィンランド パンケーキ作りに透けてみえる子ども中心教育
ベトナム 代替肉のルーツを探して寺の台所へ

第5章■食料生産
キューバ 食料配給制が残るオーガニック農業先進国
中国・上海 安心して食べられる野菜を求めて
ボツワナ 牛肉大国でなぜ虫を食べるのか?
★コラム4 卵大国の日本、なぜ卵はずっと安いのか?

第6章■伝統食と課題
モルドバ 自家製ワイン文化とアルコール問題
中華文化圏 進化する月餅と増える廃棄
★コラム5 ラマダンの時期、世界の食欲は増す

第7章■食と気候
ウズベキスタン 日本の野菜は水っぽい?
コロンビア 豊富な気候帯が生み出す一杯のスープ
★コラム6 世界の家庭の朝食はパンとシリアル化が進む

第8章■食と民族
パレスチナ 国境よりも堅いオリーブの木と自家製オリーブ漬けの誇り
ヨルダン シリア難民がもたらした食文化

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世界の食卓から社会が見える のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    買ってきて、料理して、食べる。売っている物を買うし、できあがった物を食べる。
    そこに疑問はないのに、その過程には様々な事情や思惑があって、その辺に生えてる草を食べるわけでもなければ逃れることはできない。

    0
    2026年05月11日

    Posted by ブクログ

    世界各地の家庭を訪れ、家庭の食を通して、政治、教育、宗教、環境問題などについて見えてくる問題について書かれています。
    アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南米と幅広い地域。
    パレスチナやヨルダンの家庭を訪問してのお話は本当に貴重でした。

    ボツワナの最強の魚ティラピア。
    淡水で養殖でき、貴重なタンパク源とのこと。
    台湾でもよく出てきて食べたけど、おいしかったし、さっぱりして大きくて食べやすく、タンパク質危機を救う存在になり得るということ。

    キューバのオーガニック農業。
    禁輸措置などの経済制裁で、化学肥料や農薬、燃料が不足したキューバは、苦肉の策でオーガニック農業に舵を切ったということ。

    「日頃あまり意識しないけれど、国産野菜であっても、生育のための飼料や燃料は海外からの輸入に頼るのが島国日本の宿命だ。」
    「この小さな島国の中で、外に頼らずできるだけ自立した形の農業を行うには、どうしたらこの小さな島国の中で、外に頼らず、できるだけ自立した形の農業を行うにはどうしたらよいのだろうか。」

    鶏にとってフェアな養鶏とは?
    卵の正当な価格とは?

    中華圏における中秋節の贈答品としての月餅、大量廃棄や過剰包装問題。

    数々の問題提起がとても興味深く、では日本はどうだろう?と改めて考えるきっかけになりました。

    0
    2026年04月27日

    Posted by ブクログ

    僕の中では過去1年くらい遡ってナンバー1の本でした!世界のいろいろな国に訪問して、一般家庭で一緒に料理を作り、食卓を囲み、その国の食文化を通して政治問題、環境問題、宗教問題などを紹介しています。

    僕は食品会社で働いていますが、正直、メーカーで働いていても知らない話だらけで、勉強になったし、一つ一つの話が食を中心に美しく広がっていて素晴らしかったです。

    例えば、
    ・ブルガリアと言えばヨーグルトだけど、摂取量は確かにとても多い。でも、ソビエト解体のタイミングでガクッと摂取量が減っているんです。で、その理由が牛の飼料に対するエネルギー返還率が牛肉の10倍以上のため、ソビエトで国策として乳製品を推していた過去があったみたいです。

    ・メキシコでは重要な穀物であるとうもろこし。伝統品種を守るために、遺伝子組み換えの栽培、食用輸入が禁止されています。ところが、どんどん米国由来の遺伝子組み換え品種が増えていて、飼料用に輸入したものを食用として転売したり、農家が植えたりして、既に食用の7割、栽培の5割以上で遺伝子組み換えが入っているみたいです。恐ろしい。

    ・メキシコの話ではアボカドも興味深かった。アボカドはメキシコでマヤ文明の頃から食べられている超重要作物。ところが近年は世界的なアボカド人気に加え、気候変動によって慢性的に不足気味になっており、肝心のメキシコ国内では質の悪いアボカドしか手に入らないみたいです。では、農家はさぞ儲かっているのか〜?と思いきや、アボカド農家はマフィアの資金源になっており、働いている農家は超ブラック・・・みたいな裏があるみたいです。

    こんな感じで、知らない話がたくさん。パレスチナ問題や難民問題など、かなりハードな内容もしっかりと取り上げられています。

    こう言った本はなかったな〜。本当にこの本に出会えてよかった!著者の岡根谷さんのX、速攻でフォローしましたね(笑)

    0
    2026年03月01日

    Posted by ブクログ

    生活に密接に関わっているからこそ、あまり深く考えてこなかった「食」について、改めて考えさせられた。飽食の時代に生きているかつ、何不自由なく各国の食材が手軽に手に入る日本に住んでいると、スーパーに行って値段だけを見て食材を手に取ってしまいがちだなあと。
    この本を読んでからは、その食材の産地、国に思いを馳せる時間を作ってみたくなった。

    0
    2025年08月14日

    Posted by ブクログ

    ティラピア・・・池や湖に住む淡水魚。養殖料は鯉に次いで世界二位。
    魚が肉に比べて腐りやすい理由は、生育環境。水の中で生きる魚は、水温で生きられるよう低音でも働く酵素を持っている。そのため冷蔵しても酵素が不活性化せず、自己消化が進んでしまう。また、魚の油は (多価不飽和脂肪酸)は低温でも固まらないため、これらが酸化していやなにおいを放つ。日本では馴染みがないが、ティラピアの身はくせがなくら魚臭さもなく、骨は太くて身離れがよい。高たんぱく低脂肪で、ナイアシンやビタミンB12を多く含む。いずみ鯛という名で2018年にイオンが販売している。コストコでもある。

    0
    2025年07月12日

    Posted by ブクログ

    途中だけど面白い。
    著者が実際に訪れて触れた各国の食を通して、国の政治や文化、社会課題を解説してくれる。

    0
    2025年03月22日

    Posted by ブクログ

    著者が世界の色々な国の家庭に訪れて家庭料理をごちそうしてもらう。そこから見えてくることや不思議に思うことをデータや歴史、政治にに基づいて考察しているのでとても理解しやすいとともに多角的にその国や地域の文化を知ることができてとても面白かった。中学生あたりにこの本に出会っていたらもっと勉強が楽しくなっただろうなと思った本です。子どもから大人までぜひ読んでほしい本。

    0
    2025年03月19日

    Posted by ブクログ

    この本、かなりおすすめです。
    初めて知ることがとても多かったです。ブルガリアのヨーグルト消費量は、共産主義国家になった影響で増えたとか、イスラエル入植者が、イスラエルの低所得者であるとか、ボツワナの芋虫食は、タンパク質摂取のためではないとか。
    パレスチナの項で、パレスチナの人が、この地を離れても、オリーブの木を目指して帰ってこればいい、と言っていたのが心に残りました。

    0
    2025年01月13日

    Posted by ブクログ

    久々に「読み終わってしまう…」と寂しくなりながら、読み終わった一冊。
    きっと現地に行く、日本在住の現地の方と話すだけでなく、たくさんの文献などからこの本を書き上げられたかと思いますが、その緻密さを押し付けることなく、決してかしこまりすぎることなく、こちらにスーッと入っている表現の仕方で、とてもおもしろかった。

    そして、

    あなたの明日からの食が、「おいしい」を超えて世界への扉となることを願っています

    との締めくくり。

    最高!!
    他の著書も読みます。

    そして、何かの機会があれば、ぜひ直接お話がお聞きしたい!

    0
    2024年10月17日

    Posted by ブクログ

    この本はかなりオススメ!!

    世界の食を紐解いて国の情勢、世界の動きにつながる。作者が足で、舌で体験した事実と調べ上げたデータを使いわかりやすく地理、歴史、宗教、政治に話を広げていく。世界の台所探検家、岡根谷実里氏

    機内食データからの宗教観も面白かった。

    他、リスト表がまた秀逸。宗教で食べられるもの、食べられないもの、その一覧が興味深い!

    紹介される各国の料理が写真付きで美味しそう。虫でもなんでも食べられる作者は素晴らしい!


    マヤ文明やアステカ文明の遺跡からもとうもろこし栽培の痕跡が見つかっている
    メキシカンタコス= 柔らかいとうもろこしの皮、白色、遺伝子組み換えGM品種の栽培禁止
    アメリカンタコス= 硬いとうもろこしか小麦粉の皮、黄色、加工時に水酸化カルシウムの入れすぎ、輸入とうもろこしの9割がGM品種
    p. 26〜

    ラロット、ベトナム野菜を使ったおかず、葉にあんを包んで揚げる

    スーダンでもパンの普及が増え、アフリカ大陸に広く分布するアスィダ、と呼ばれる粥
    1949年、戦後に世界中で、小麦余りが生じてアメリカでは法律で、余剰農産物処理法を通し、途上国への食糧支援とした。スーダンも1974年からアメリカから小麦輸入を開始 p. 54

    イスラエルは、シナイ半島の東側に位置、イスラム教徒が多い中東だが、ユダヤ教徒が74%をしている。

    イスラム教の食戒律はハラル
    ユダヤ教はコーシャ、全てに適応し、いくつかの条件を満たしたもの
    ex: コーシャは、蹄が分かれた反芻動物、ウロコとヒレのある魚     p. 74

    ジャイナ教は、西インドのグジャラート州が多い。
    野菜づくしの料理が並ぶが、何を食するかは若い世代には結構自由化。
    野菜なら全て食べられるわけではなく、地面の下の野菜はたべない。地中の虫や微生物を殺してしまうから… p.84

    ボツワナ、南アフリカのすぐ北に位置する、内陸国で砂漠気候。貴重なタンパク質、魚の名前は、ティラピア。海ではなく、池や湖に育つ淡水魚。
    養殖量は、コイ類に次いで第二位。21世紀で最も重要な養殖魚、ともいわれている。
    陸上養殖、と言われる、畑の合間の水田や湖で育てるので、内陸でもできる。また、植物性の餌やプランクトンで育つため、タンパク質生産効率がとても良い。アジアと、アフリカで8割のティラピア養殖
    「いずみ鯛」がティラピア、2018〜イオンが販売


    コロンピー、ペルー、ボリビアでコカイン
    メキシコでヘロインが生産。
    アボカドの栽培には、トマトの10倍近くの水が必要、栽培できる土地が限られ、メキシコの農地拡大による森林伐採も問題に。貧困状態の家庭を養うためには森林を切り開き畑を広げなければならない。

    そして、麻薬組織、カルテルの次の資金源として、アボカド農家を訪ね、家族を人質に取り、土地や売上の手数料をとる、Green Gold と呼ばれる。


    フィンランドのパンケーキ作りに透けて見える子ども中心教育。自分がダメ、と言いたくなるとき、なぜダメなのかかんぎえてみて、合理的な説明ができない場合はやらせることにしたの。でもいつも葛藤よ。こちらも日々学んでいる感じ p. 141

    フィンランドは、OECD経済協力開発機構の実施するPISA 学習到達度テストで、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三分野で2000年以来1位を取る。子どもを中心に据えた福祉的なアプローチで高い成績を収めている。
    身につけた読解力が、テストでいい点を取るためではなく、自ら学び考えて生活を作ることに活きている。 p. 144

    子どもの権利を第一原則に
    テストで評価しない
    教師は修士号以上の専門職
    教師の裁量が大きい
    遊びは学びます、図工は創作

    1950年ごろは規律を重んじたみんな同じ教育だったのを1990年代の教育改革で分権化し、子ども中心に。資源が乏しい国だからこそ人材こそが資源!
    p. 150


    ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教の共通思想は、
    アヒンサー不殺生。仏教では、不殺生戒として定められる→ 肉をやめて菜食に!→インダス文明で人口激増のインド亜大陸において肉を求めたら食材不足に。そこで資源効率の悪い肉を禁じ、採食に仕向ける理屈を作り出せばいいと。 p. 162

    クックパッドのアクセス数は、ラマダン時期に通常の2倍に跳ね上がる!食料が値上がり。
    本来は「食のありがたみ
    再認識し、貧しい人の境遇に想いを馳せる」行事が、日没後は宴会に! p. 234

    南米コロンビアは、単位面積あたりの生物多様性が世界一。様々な気候がある国土なので、可能にp.261

    世界の家庭の朝食は、パンとシリアル化が進む。
    忙しい朝には時間をかけられず、新石器時代に農業が始まり余剰農産物を貯蔵するようになり、朝食の概念ができた。
    炭水化物、タンパク質/卵、水分と少しの野菜、果物で。


    最後はパレスチナ、ヨルダンの難民問題にも触れ、彼の地で逞しく生きる人々の食事からの情勢を学ぶ



    0
    2024年08月26日

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