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ごく普通の大学生の「僕」は、就職活動を前にしてドロップアウト。そして始めた東京・山谷でのその日暮らし。宿なし・金なし・家族なしの中年男たちと寄せ場や職安に通い、飯場の世界にも飛び込んでいく。彼らは、そして就職を選べなかった「僕」は、ダメな人間なのか? ドヤ街の男たちと寝食を共にした一人の若者による傑作ノンフィクション。幻冬舎アウトロー大賞(ノンフィクション部門)受賞。
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Posted by ブクログ
さいわいなことにというべきか、未だ私には縁のない世界のお話である。飯場やドヤの生活を、言いと思うが絶対イヤだと思うのか、読む人の反応は真っ二つに分かれそうだな。おそらく著者が経験した部分より、さらに酷く、闇が深い部分も多くあるのだろうが。
面白い。 実体験のノンフィクション。 著者と同様に、ホームレスとか、宿無しの日雇いで働いてる人とか、いわゆる社会のレールから外れてるような生き方に興味があるなあ。
日雇い労働者の街、通称ドヤ街。 その中でも日本有数のドヤ街といえば東京「山谷」。 実際行ったことはないのだが、地名は知っていた。 頭に浮かぶ街のイメージは良くはない。ただそんな場所でも懸命に生きる人もいれば、温かい人情だってあることをこの本を読んで感じた。
いわゆるドヤ街と呼ばれる山谷と、工事現場の飯場などの滞在記。会った人との交流内容と、人間観察が主。 ドヤ街という言葉は最早過去の物だと思うが、今で言うインターネットカフェやシェアハウスのようなものと言えばどうだろうか。 金がない人の逃避先が酒やギャンブルからインターネットになっていると感じる昨今...続きを読む、名前や場を変えて、このような境遇は今後も残るのだろうと思った。
日雇い労働者の実態が書かれたルポ 山谷という場所はセーフティーネットになってるんだなと思った。 やっぱりルポルタージュはなかなか接することのできない世界を生々しく知れておもしろい。知見が広まる。
今までの人生に疑問を感じている現役大学院生が飯場(はんば:簡単に説明すると住み込みで働ける土木工事)に潜り込みその実態をレポート。 飯場での仕事内容や給与形態がわかります。 人それぞれ人生がありまた価値観のおき方によってその人生も大きく変わっていくと思います。 何が勝ち組で、負け組みであるのかが考え...続きを読むさせられると思います。 いろんな人生経験をしてみたいと思いました。
<ごく普通の大学生の「僕」は、就職活動を前にしてドロップアウト。そして始めた東京・山谷でのその日暮らし。宿なし・金なし・家族なしの中年男たちと寄せ場や職安に通い、飯場の世界にも飛び込んでいく。彼らは、そして就職を選べなかった「僕」は、ダメな人間なのか?ドヤ街の男たちと寝食を共にした一人の若者による傑...続きを読む作ノンフィクション。幻冬舎アウトロー大賞(ノンフィクション部門)受賞。>働くということが自分の人生のなかで、どういう意味を持つのか。なんてことを読みながら改めて考えたり。読み物としても知らない世界を知れて面白かった。それにしても‥幻冬舎アウトロー文庫って初めて読んだな(笑)
当時、大学院生だった著者がドヤ街「山谷」や飯場に潜入し、その内側と現実世界を行きつ戻りつする最下層ルポ。ちょっと眺めるつもりで手に取ったのだが、あまりの面白さに一気読みしてしまった。 ところどころ青臭い記述が鼻につくものの、日雇い労働者の生活、街、意識を的確にとらえ、そして自らがその一部と化してい...続きを読むく過程に愕然とする記述は秀逸。
大学卒業ごの進路を決めかねた青年が、とりあえず大学院に進み、山谷や飯場で仕事をしてみた体験記。 青年によくあるモラトリアムと言ってしまえばそれまでだが、フリーターではなく、日雇い労働者の生活を体験して彼らの考え方に触れてみようと思うところが、面白い。 あとがきによれば、2008年には番組製作会社で仕...続きを読む事をしているということだが、良質のドキュメント作品を是非つくってもらいたい。
大学院生だった筆者が、山谷や飯場での生活を送ることで、実際に生活している労働者の生の声をすくい上げているのが本書の特徴である。 実際に生活が送るとは言っても、筆者には帰れる家があるので、労働者たちとは少し心持ちが違う。 だからこそ、客観的に見られているというところもあるが。 本書を読むまで、僕は山谷...続きを読むにいる人も飯場にいる人も全て日雇い労働者というくくりでしか見られていなかった。 山谷は何度か散歩がてら寄ったことはあるが、確かに異様な感じはあった。 だからこそ、「ここではたくさんの日雇い労働者たちが貧困にあえいで苦労しているんだな」と思っていた。 だが、本書を読むと、どうやらそういうことでもないようだ。 本書で登場する山谷の住民は、ほとんどが好きで山谷に住まっている。 彼らは、サラリーマンのような、規則正しい生活や財産などには興味がなく、最低限の生活をして酒を飲みながらなんとなく日々を過ごす。 そして、飯場で働く男たちは、山谷にいる日雇い労働者たちを見下す。 同じ日雇い労働者だが、下には下がいると思い、線引きをして精神的に安心しているのだ。 これは決して日雇い労働者同士の話ではないと思う。 サラリーマンだって、ホームレスや日雇い労働者のことを見下す。 家庭があり、財産があり、家がある。 同じ労働者なのに、見下すことで安心感を得ている人もいる。 本書を読んで感じることは、「普通の暮らしをしていない人たちの暮らしがわかった」とか、「自分はそうなりたくないな」とかではない。 僕が感じたのは、「あえてそのような暮らしを望む人たちがいるから、山谷や飯場という場所が現代でも存在するのではないか」ということだ。
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だから山谷はやめられねえ
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塚田努
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