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Posted by ブクログ 2023年09月27日
広告コピーライター、作詞家、小説家と言葉を連ねることに生涯を捧げてきた男の物語。多くの文学賞を受賞し、死を意識する年齢になった作者が「言葉」への思いをぶつけた遺作なのだろう。
タイトルの「潜熱」とは物質が固体や液体になるために必要とする熱量のこと。男は出会った人の潜熱で人生を変えてきた。友情や愛情...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月05日
作詞家を目指し、一角の者になり、音楽がただで聴けるようになって作家になった相良という男の一生が、一日で読めてしまう小説。あれ、珍しく主人公はハッピーエンドで終わらないのかなと思いきや、やっぱりそこそこの幸せに落ち着きそうに終わる。
この人の小説はいくつも読んでいるが、文筆家が主人公の話が多く、中でも...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月10日
信州の小さな街の貧しい畳屋の一人息子として生まれた主人公の相良梁児が、故郷を捨てるようにして上京、小さな広告代理店にもぐり込む。
そこから始まる主人公の人生が、昭和30年代から令和までを舞台に描かれる。
そしてその道連れとなるのが、遅れて上京してきた大庭喜久男。
母子家庭に生まれた大庭は上昇志向の強...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月29日
潜熱というごく簡潔なタイトルが、全てを物語っているのが、素晴らしい。
作者を彷彿とさせる主人公。フィクションだと分かりつつも、重ねてしまう。
創作者の苦しみというか、業というか、向き合い方を覗き見る感じで迫ってくるものがある。
老いてからの侘しさや、悲哀を抱えながらも、なお蠢く創作の欲。まだまだ、次...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月15日
乙川さんの洗練された文章は相変わらず心地いい。
昭和〜平成〜令和を生きた男の一生も、作者にかかるとこれほどまでにスタイリッシュで軽快になるから不思議。
人生って、作中で何度か描かれる「中央フリーウェイ」の一節のように滑走路のような道を車で飛ばしているようなものなのかもしれないなと思う。
過ぎてしま...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月06日
畳屋の息子がコピーライターを夢見て家出同然で東京へ。同じく俳優を夢見る大庭との友情などの章。次はコピーライターから作詞家への転身と結婚、最後はさらに作家を目指す。
関わってくる人々への深い人間観察と書く言葉選ぶ言葉への偏執的なまでのこだわりが文章になって表れている。
時代の流れ、空気感、そして主人公...続きを読む
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