無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
今日、アイドルは広く普遍的な人気を獲得し、多様なスタイルや可能性をもつジャンルとしても注目されている。しかし、同時に多くの難点を抱え込んでいることも見過ごせない。
暗黙の「恋愛禁止」ルールとその背景にある異性愛主義、「年齢いじり」や一定の年齢での「卒業」という慣習に表れるエイジズム、あからさまに可視化されるルッキズム、SNSを通じて四六時中切り売りされるパーソナリティ……。アイドルというジャンルは、現実にアイドルとして生きる人に抑圧を強いる構造的な問題を抱え続けている。スキャンダルやトラブルが発生して、旧態依然ともいえるアイドル界の「常識」のあり方が浮き彫りになるたび、ファンの間では答えが出ない議論が繰り返されている。
その一方で、自らの表現を模索しながら主体的にステージに立ち、ときに演者同士で連帯して目標を達成しようとするアイドルたちの実践は、人々をエンパワーメントするものでもある。そして、ファンのなかでも、アイドル本人に身勝手な欲望や規範を押し付けることと裏表でもある「推す」(≒消費する)ことに対して、後ろめたさを抱く人が増えている。
本書では、「推している」がゆえにジャンルが抱える問題から目をそらすのではなく、かといって、現に日々活動を続ける一人ひとりのアイドルの存在を無視して「アイドル」そのものを「悪しき文化」として非難するのでもなく、「アイドルを好きでいること」と問題点の批判的な検討との両立を目指す。
乃木坂46やAKB48、ハロー!プロジェクト、二丁目の魁カミングアウトなどの具体的なアイドルの実践を取り上げる批評から、「推す」という行為のもつ功罪を問い直す論考、近年K-POPアイドルシーンで盛んな「女性が憧れる女性像」である「ガールクラッシュ」コンセプトの内実を検討するレビューまで、様々な視点から「葛藤しながらアイドルを語る」ことの可能性を浮き彫りにする。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
推しのアイドルがよく「一緒にアツいライブをつくろう」と言う。
わたし自身、この言葉に対して「一緒につくる」とはどういうことなのだろう、と疑問に感じていました。ヲタ芸をすればいいのか?ペンライトを振ればいいのか?モッシュ?リフト?コール?何をもって「一緒にライブをつくった」と言えるのかがよく分からないまま、これまでライブを楽しんできました。
8章では、この疑問に対して一つの解を与えてくれたように感じています。
観客と演者がいて成り立つエンターテインメントを享受する際には、演者側の「焼き尽くす」覚悟に乗っかるかたちで、観客側にも何かしらの意味でそれを見て燃え尽きるぐらいの「覚悟」が必要とされているのかもしれない。演者と観客がそれぞれの立場で、覚悟をもって真剣にぶつかり合うこと。それが、演者の「キラめき」を観客が支え、生み出す際の条件の一つなのではないだろうか。(P196)
「焼き尽くす」という言葉が、何かを燃料にして燃え尽きることを前提としているのだとすれば、普通の青春や恋愛、他のアイドル、さらには観客さえも燃料にして「キラめく」アイドルに対して、わたしたちにできることは、よい観客であることだけなのではないでしょうか。彼女の放つ圧倒的な「キラめき」を目の前にして「一緒にライブをつくろう」と意識すること自体が、むしろ雑念なのかもしれない。一生懸命に彼女を応援し、全力でライブを楽しむこと。それこそが、わたしにとっての「一緒にライブをつくる」ことなのだと感じました。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
ビジネス・実用