Posted by ブクログ
2010年09月21日
タイトルには何か含みのある感じを受けてしまうが、著者の主張は文字通りのもので、一般のサラリーマンが家計について何も考えずに漫然を暮らしていくと、1度目は子どもの教育費によって、2度目は老後資金の不足によって、金融資産がマイナスになる、すなわち破産を迎える可能性があると警告している。
20年、30...続きを読む年という期間で家計を考えたとき、住宅を購入することや車を保有することのインパクトがどれほどのものか、保険の選び方でどのように家計が変わるのかといった基本的な部分がきわめて丁寧に解説され、家計の目標を「物価の上昇を上回ること」に置いて資産運用にも言及している。こうした指摘は非常に現実的であり、極端な節約を謳う主婦向けの雑誌や、一攫千金を狙う投資本などとはまったく異なった内容である。
節約も必要だが、とにかく切り詰めれば良いというものではない。快適に暮らしながらムダを省くために何を節約するのか常に考えることが重要である。貯蓄するには、給料の余りを貯めるという考え方では貯まらないので、「月○万円は貯蓄」などと決めておき、その残りで生活するという考え方に変換する必要がある。運用するにしても大きなリターンを狙えばリスクも大きくなるのは必然であるから、分散投資などリスクを抑える手立てを考えるか、物価上昇分を上回ることができるだけのリターンを狙って商品を選ぶ。
著者が説くこれらの考え方は至極まっとうなものである。
私自身、金遣いは荒いほうであり、実際にあまり貯蓄は増えない。
貯蓄額を設定しておいて、その残りで生活するという方法は、少なくとも我が家の家計にとっては非常に有用だと感じた。