あるじなしとて

あるじなしとて

1,799円 (税込)

8pt

4.2

律令体制の限界、財政破綻の危機……。この国を救う――。たとえ我が名が残らなくとも。“学問の神様”ではなく“政治家”としての菅原道真に光を当てた、第12回日経小説大賞受賞作家による感動の歴史長編。文人として名を成し、順調に出世していた菅原道真は、讃岐守という意に反した除目を受け、仁和2年(886)、自暴自棄となりながら海を渡って任国へ向かう。しかし、都にいては見えてこなかった律令体制の崩壊を悟った道真は、この地を“浄土”にしようと治水を行なった空海の想いを知ると共に、郡司の家の出でありながらその立場を捨てた男と出会うことで、真の政治家への道を歩み出す。「東風吹かば匂いおこせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな」に込められた道真の熱き想いとは。菅原道真の知られざる姿を描いた傑作歴史小説。

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あるじなしとて のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年04月09日

    菅原道真壮年時代の話。
    歴史小説にありがちの、結果を知ってるけどどうつなげるの?にしっかりとカタルシスがあるのが好みでした。
    讃岐左遷時の道真に”プライドの高い京貴族感”をもたせ過ぎなのが少し気になったけど、後の公卿とやりあう場面での”気持ちの伝わらなさ”に返ってくるあたりはなるほど上手いな、と。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月01日

    為政者の苦悩と喜び。千年後の今日、空海の目指す浄土に近づいているのか。疫病は、相変わらず、他国で戦争が起こり。

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    Posted by ブクログ 2022年10月17日

    菅原道真といえば、学問の神様である。と同時に、死後、怨霊となり、自らを追い落とした者たちを祟り殺したという伝説の持ち主でもある。
    そんな伝説が生まれたのは、彼が、おそらく無実の罪を着せられて、大宰府に左遷され、彼の地で衣食住も満足でないまま、不遇の死を遂げたためだ。以後、都では道真の政敵の急死が相次...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年07月18日

    「本当に願うならば、現実に顕さねばならない。その願いがどんなに途方もないことでも、命懸けで為そうとすれば、ほんのわずかでも実現できるかもしれない」
    空海阿闍梨の為した事を目にして得た想いを、その後も悩みながら苦しみながら、一生をかけて自らのすべきことを見定め、成し遂げた。ただただ優れた人物というだけ...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年06月18日

    「学者で、漢詩の才能にも恵まれた人」「無実の罪で大宰府に左遷された悲劇の人」というイメージとは違った、政治家としての魅力溢れる菅原道真が描かれていました。特に前半の讃岐赴任時代は、左遷に泣いたり、図星をさされて怒ったりと、とても親近感が湧く菅原道真です。
    そんな菅原道真が左遷を経て都に戻り、細心に、...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年09月17日

    菅原道真の左遷されて行った讃岐国での出来事,彼に目を開かせたこの民を思う無私の男の死の場面は胸に迫ってきた.その後の道真のなりふり構わぬ改革への熱意,公家との駆け引きなど面白く,太宰府へ流された顛末もよくわかった.
    それにしても,藤原一族の血は恐ろしい.

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あるじなしとて の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    PHP研究所
  • ページ数
    384ページ
  • 電子版発売日
    2022年06月24日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

閲覧環境

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