ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
スマホなどを通じて日々のさまざまな事柄(体調やタスクの進捗など)を測定し、新たな気づきと解決策を生み出そうとする「セルフトラッキング」のムーブメント。一見すると個人主義的ないし利己的な行為だが、他者にも、そして社会にも裨益する関係主義的で利他的なものにはなりうるのだろうか。最新のテクノロジーを私たちが「巧く生きる」だけではなく、「善く生きる」ための方法の一つとして捉え直す。橘玲氏推薦!
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
人はそもそもダメなものゆえ、トラッキング技術を使ってよりよい人生を送ろうという視点には気づかされることが実に多かった。
『データ管理は私たちを幸福にするか₋セルフトラッキングの倫理学-』 堀内進之介 昨今、Apple Watchの流通により、よくもわるくもセルフトラッキングというものが一般化しつつあり、さらにはこれらのログが様々な場面でかつようされつつあるが、これらは私たちの生活を豊かにするのだろうか、という問いに...続きを読む対して、様々な批判を考慮して検討してい本書は、興味深かった。 特に、私が身を置いている業界では、健康経営、人的資本の開示、ESGなど、これまで管理や開示の対象とはなされていなかったデータやログの開示や把握がトレンド化しつつある。こうした流れも、トラッキングやログ管理を射程範囲とする本書と親和性が高いのではないかと手に取ったが、本書はより本質的かつ倫理学的な側面からの検討であり、参考にはなるものの直結はしなかったというのが率直な感想である。しかしながら、単純な読み物として、非常に面白い。このようなセルフトラッキングが常態化した中で、筆者は「定量化された自己」「定量化された関係性」などの新たな術語を使用して、これらの功罪について検討していく。特に批判として考えられる①新自由主義化(セルフトラッキングできるのだから、自己責任で管理せよ。)➁測定₋管理化(定量化できるものばかりが重要視されること、また、定量化できないものが等閑視される)③交換-互酬化(アンダーマイニング効果が働いてしまい、評価されないことは行われなくなってしまう)④市場-商品化(GAFAなど、特定の企業が認識世界を独占してしまい、それらに依存せざるを得なくなること。そして、選択肢がそもそも狭まってしまうこと)⑤依存₋能力退化(依存した結果、そららを行う能力が失われてしまうこと)の5つを一つ一つを吟味していく。大方、批判はこのようなセルフトラッキング技術が我々の自由な行動や認識を狭めてしまうことを中心に展開されているのだが、筆者が章の最後に「そもそも我々の行動や認識は現段階で自由なのであろうか」というもう一段階議論を進化される問いかけをするところが、個人的には盛り上がった。その次の章で、フーコーを引いて、自由か否かと言う問題を吟味するのだが、外部との関係によって、促進、助成される自律性(=関係的自律性)という概念を持ち出して、議論を進めていくが、個人的な本書のハイライトはこのあたりであった。
自己追跡(セルフトラッキング)について様々に書いてあるものであった。これを専門として卒論が書けるかどうかはわからない。
人間を取り巻く情報。それらはどのように本人が利用できるのか。どんなリスクがあるのか。 そこにはどんな配慮が必要とされるか。 本書は豊富な引用と事例をもとにそれらの問題を浮き彫りにする。 「高く飛ぶな。しかし、低くも飛ぶな」はイカロスに与えた、父ダイダロスの言葉、という。この言葉の通り、...続きを読む恐れず、しかし軽視せず、対応していく、ということなのだろう。
アクラシア=自制心がないこと、意思が弱いこと。2種類に分けられる=葛藤しない人(性急な人)、欲望に負ける弱い人。これが習慣になっている人。 習慣とは長い時間をかけた練習であり、人が自然ととる態度(自然本性)となるもの。 自己欺瞞(言い訳、開き直り)によって助長する。 スマホは、アシスタントとしての機...続きを読む能を果たす。 良い人間の在り方を論じないで、良い人間になるべき(自省録)。 ヘルスケアアプリの継続率は2日目には30%、7日目には20%、1か月後には10%。 ソクラテスは文字が思考力や記憶力認知能力などを退化させるのではないかと危惧している。スマホによって漢字を憶えなくなるのと同じ。 今の日本では、健康管理が自己責任化されている。病気になるな、だが長生きもするな、と言われているようなもの。=社会に迷惑をかけるなという趣旨。 コンピュータ適応型テスト=解凍時間に関するデータを収集することで不正を検出する。 時間制限のある試験は、適性や知識ではない能力を測るもの。アメリカのいくつかの州は司法試験や医師国家試験などで、時間制限を課さないものもある。 地域ポイント制度(介護ポイントなど)=ボランティアに内在する価値を変質させる。義務論でいえばポイントに交換、はおかしな制度だが、功利主義なら合理的。 girls around me 周りの女性のプロフィールをFACEBOOKのデータで閲覧できるソフト。ストーカーアプリとして批判された。 GPSの活用によって、エスキモーがクレバスを避ける技術を失い危険が増えた。 監視カメラによってみられている可能性があると、自ら正しくふるまうように促す。監視カメラの客体になることで道徳的主体に変容せざるを得ない。スマートウォッチなどのセルフトラッキング技術はその傾向を助長する。 自立とは依存しなくなることではなく、依存先を増やすことが自立。生きていることは他者のおかげである。他者とは技術やインフラを含む外部を指す。 バイアスを除くことは間違いを認めることと同意であり心理的な負担がある。 適切な修正は難しい。認識的パターナリズム=認識上の間違いに対して他者の行動を制限することでま間違いを生じなくさせること。 パターナリズムとは、シートベルトの着用、ドラッグの禁止などで、個人の自由に干渉すること。 ナビよりウエイファインディングで、町中の目印を一緒に伝える。 自制心のなさは、アクラシアとして知られていたが昨今は自己欺瞞もこれを補強している。 高く飛ぶな、しかし低くも飛ぶな。 行動を促すのはアラーム機能が得意とするようなもの。 アラームによって、認知タスクを減らす。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
データ管理は私たちを幸福にするか?~自己追跡(セルフトラッキング)の倫理学~
新刊情報をお知らせします。
堀内進之介
フォロー機能について
「光文社新書」の最新刊一覧へ
「IT・コンピュータ」無料一覧へ
「IT・コンピュータ」ランキングの一覧へ
あやうく、未来に不幸にされるとこだった
AIアシスタントのコア・コンセプト - 人工知能時代の意思決定プロセスデザイン
試し読み
感情で釣られる人々 なぜ理性は負け続けるのか
人工知能時代を<善く生きる>技術
SENSE インターネットの世界は「感覚」に働きかける
善意という暴力
「堀内進之介」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲データ管理は私たちを幸福にするか?~自己追跡(セルフトラッキング)の倫理学~ ページトップヘ