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ITバブル以来22年半ぶりの米国大幅利上げと、アフターコロナの金融市場を見据えた2016年1月発売の改訂版。「金利」はまだ表面化していない景気の変調を教えてくれる、まさに投資の世界におけるカナリアなのです。だから金利のことを知れば、投資の確実性は向上します。投資家にとって、これほど力強い味方はありません。すでに何度か投資で失敗した経験があれば、「金利のことをもっと知っていれば、失敗しなかったのに」と思うはずです。
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Posted by ブクログ
金利をどのように見ればいいのかのバイブル的なものだと思った。これからは年単位で金利相場が始まるため、この本を読んでおくことに損はない。
景気のサイクルは長短金利差を見ることでわかるとし、その見方やサイクル時期における投資スタイルを解説してくれたもの。 よりデータに基づいた投資を行いたい投資初心者におすすめ。 しっかり理解するために何度も読み返したい。
投資の予測 1.ISM製造業景況指数 50が基準 2.長短金利差 3.信用サイクル:社債スプレッドで確認
【評価】 内容 :★★★★☆ 読みやすさ:★★☆☆☆ 難易度 :★★★★★ ボリューム:★★★☆☆ 【所感】 金融市場の「炭鉱のカナリア」とも言える『金利』について様々な指標を基にした洞察がまとめられている。『景気循環』『金利の動き』『長短金利差』を因子とした季節分け、リスクオン・リスクオフ...続きを読むの循環における『信用サイクル』など多くの分析がなされている。正直自分の頭では処理し切れない部分もあり、個人的には難易度は高めだったが、新たな知識や考え方が身に付いたのは間違い無いので総じて満足の一冊。
金利を見れば投資はうまくいく 金利について少しまとめて勉強してみたいと思ったので手に取った。 2022年6月初版発行。2024年2月時点で10刷発行は結構なハイペースなのでは。債券運用歴30年超の著者が、初心者向けに平易な言葉で金利の基礎から解説してくれている。それでも部分的に理解できないところは...続きを読むあるのだけれど。読み返してみたい本。 ・世界経済の先行指標となる米国経済を焦点に、景気の変節点を金利の変動から見定めようとする視点。長短金利差、社債スプレッドの変化などが主なものだが、理解しやすい。 ・第5章「お金は世界を回っている」 ここで基軸通貨である米ドルが、世界市場をどのように循環しているかを図解も含めて解説している。WD(ワールドダラー・米ドル流動性)の概念も含めて非常にサラッと解説してくれている。基軸通貨論については他の著者のもので読んでいたが、どうしても政治・外交的な切り口からの議論になってしまう。ここまでカジュアルに説明している本は珍しいのではないだろうか。 ・第9章「投資で成功するために」 米国の投資環境を簡単に把握する方法が提案されている。セントルイス連邦銀行の公開資料から誰でも作れる。一つの目安として、自分で作ってみたい。 ・2024年3月時点で読んで、およそこの2年間の経済動向を正しく予知していたと思う。米国の長短金利差は2022年10月頃からマイナス圏に突入しており、その一年後に当たる今年は注意が必要な場面のようだ。慎重にいこう。
最近金利の話を良く聞くが、いまいちわからなかったので読んでみた。 不況が起きる前に金利に動きがあったり、10年に1度は大きな不況が起きるなど、投資をするにあたり知っておきたいことが書かれていた。 次の不況は2030年ごろかなぁ? その不況を乗り越えられるように今から準備しよう!
3つの金利(政策金利、10年国債利回り、社債利回り)で景気および株式・債券相場の予測をするというものですが、改訂版で相当内容が変った印象でした。 最後に投資の心得として「金利は有効な景気判断ツールで売買ではなく使う」と「全ては循環するので軸をずらすな」と上げてましたので、転換点が近いと思ったら警戒し...続きを読むつつ、状況が変ってないか提起観測・修正を繰り返すことが大事かと思いました。
今が景気のどの局面にいるのか、主に金利の面から筆者の考えを学ぶことができる。今後どこへ資産を配分すべきか、知りたい方は必読の書と考えます。
ISM製造業景況指数=指数50を基準として、50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を意味する。 バブルの時は70くらいでリーマンショックの時は35くらい。 信用サイクル=10年サイクル 景気と企業の信用力の関係を表す 調達金利の上昇や低下により 金融政策サイクル=5年サイクル 金融引き締...続きを読むめや金融緩和により 在庫サイクル=2.5年サイクル 在庫の増減により 長期金利は短期金利の先をいく、景気のバロメーター 利回り曲線(イールドカーブ)=債権の満期までの利回りと期間の関係を示した曲線 縦軸に利回り、横軸に期間を用いた折れ線グラフ。 曲線の傾きが大きくなること(長短金利差拡大)を「スティープニング」、小さくなること(フラットニング)と表現する。 利回り曲線は、通常短期金利より長期金利が高いため、右肩上がりとなりこれを順イールドという。 利下げ前には右肩下がりになり(長短金利差逆転)これを逆イールドという。 社債スプレッド=社債利回り−国債利回り スワップスプレッド(%)=スワップ金利−国債利回り スワップ金利とは変動金利と交換の対象となる固定金利のこと 国債利回りは、今の景気と並行して動くので、スワップスプレッドが拡大したら、将来の金利上昇を予測し、縮小したら金利低下を予測する。 住宅ローンでは固定金利のニーズが高まればスワップ金利は上昇し、スワップスプレッドは拡大する。 変動金利のニーズが高まればスワップスプレッドは縮小する。 景気減速局面は、米株高、米債権高、米ドル高のトリプル高になる。 米株高= ①原油や銅、鉄などの商品市況が落ち着きを取り戻し、原材料価格が低下する。利ざやが増し、企業収益も改善 ②自社株買いやM&Aが増える ユーロ圏 各国が通貨政策を行えないため、ドイツとの国債金利差に注目。 ドイツの景気は米国に追随する。 現在インフレ気味。 金融引き締めをしたいが、ギリシャ、イタリア、スペインなどの国が反対。 ECBによる国債購入なくなれば国債金利の上昇を招く。 利上げできない日銀の実情 日銀の収入源は国債からの利息収入 保有長期国債の利回りと当座預金金利の利息利回りの差分 0.213%−0.047%=0.166 利上げによって逆ザヤになってしまう。 政策金利2%、当座預金利息2%、保有長期国債の利回り0.213%の差分 0.213−2%=−1.787 年間約8兆円 そのため目指すのは現行の金融緩和策の修正 マイナス金利の撤回、長期金利操作の終了、そして利上げ 投資環境スコア 1.政策金利=前年に比べて水準が高い(利上げ)時は、一年程度の時間を置いて景気減速に作用する。 そのため前年差が0.25より大きい場合マイナス 2.長短金利差=逆イールドすなわち長短金利差がマイナスになると景気減速を示唆するためマイナス 3.長期金利=前年差を計算することで、長期金利が上昇トレンドが低下トレンドかの判断に用いる。 長期金利差の補足的な存在で、長短金利差がマイナスかつ金利が低下トレンドにあるときは景気減速の警戒サイン 4.米ドル指数=前年比変化率を計算する。米ドル高の場合には、主に新興国経済にマイナスに作用 重要 夏に見られる「短期金利上昇による縮小」、秋に見られる「長期金利低下による縮小」の2段階があり、長短金利差が0%を割れたら景気後退局面入りの可能性が高い 長短金利差縮小後期の条件は、①長期金利が前年比で低下、②長短金利差が0.5%割れの2点
金利は投資において最も重要な指標であり、その基礎を学ぶのに最適な一冊。以下、要約。 ❶金利は景気の『今』を表す ❷3つの金利で景気は予測できる ①政策金利、長期金利、社債利回り(クレジットスプレッド) ❸景気サイクルと金利の関係 ①ISM製造業景況感指数が大事。需給の波が激しく景気の波を作...続きを読むるからである。2年半の在庫サイクル、5年の金融政策サイクル、10年の信用サイクルを意識したい。 ②景気サイクルは米国から始まる。日本、欧州、新興国は米国の後になる。列車の車両を想像したい。 ③長期金利は短期金利の先をいく景気のバロメーターである。短期金利は政策金利連動であり、政策の効果を検証するのに時間がかかる分、動きは鈍くなりがちである。景気の回復を先に折り込むのも、逆に景気の減速を先に折り込むのも長期金利である。 ④イールドカーブがスティープニングしているうちは良い。これがフラットニングしてくると景気減速のサインとなる。 ❹信用サイクル ①だいたい10年に一度起こるクレジットクランチ。シグナルとして押さえたいのがクレジットスプレッドの動きである。リスクオンの時は、株価上昇、クレジットスプレッドも縮小する。ただ、レバレッジが拡大すると、株価は上昇するがクレジットが縮小ではなく、拡大してくる場面がででくる。これを次のリスクオフ局面へ繋がるシグナルとして捉えられるかが大事である。 ❺お金は世界を回っている ①WD(ワールドダラー)という概念が大事。これは『国内のドル+海外のドル』で表すことができる。詳細には『米国のマネタリーベース+Fedが保管する海外中銀の米国債』で表す。 米国の貿易赤字という形で、海外にばら撒かれたドルは為替介入などで中銀の外貨準備になり(=国内ではマネタリーベースの拡大)、WDとして統計に出てくる。 ②米国と新興国の景気には時間差がある。米国が新興国にドルをばら撒くことで新興国の景気は良くなる。 ❻すべては米国から始まる ①経験則的に政策金利が名目GDP(実質GDP+インフレ率)を上回ると利上げ局面は終了する。 ②ブラジルが2010年にGDP成長率9 %を達成してから奈落の底に落ちたのは景気が過熱し過ぎてしまったこと、インフレ抑制に失敗したことが大きいと考えられる。 景気過熱の結果、異様なレアル高になってしまった後は輸出競争力が弱くなり、景気減速が鮮明。利下げに入るも、今度はインフレが台頭。景気対策で積極財政に転じたことも悪手。レアル安が止まらなくなり、通貨防衛のため利上げへ。 ❼ユーロ圏という大国 ❽追い風に乗る日本 ①日本で大事な経済指標は日銀短観の大企業製造業である。 ②日本の人気投信にはその時の投資ブームが何かを正確に物語っている。 ❾投資で成功するために ①商品価格の上昇は新興国優位。下落は米国優位。マージン拡大は米国優位。縮小は新興国優位。
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