世界のいまを知り未来をつくる 評論文読書案内

世界のいまを知り未来をつくる 評論文読書案内

1,760円 (税込)

8pt

4.6

大学入試に出題される評論文は、なぜ難解なものが多いのか? それは、その多くが「世界に山積される数多くの課題」に取り組む上で必要とされるものだから。評論文を読み解くことは、世界をよきものにするための最良の独学の道である。国民国家、資本主義、グローバリゼーション、新自由主義、ポピュリズム…世界のいまを知り、未来をつくるために必要な知識を伝える、学び直し読書案内。高校生から社会人まで、必読教養入門書・良書30冊の紹介とその読み解き方。

「本書で紹介する書物に扱われるテーマが"現代社会や世界に山積される数多くの課題"である以上、そうした一歩一歩の先に開けてくるのは、この社会、そして世界を理解するための視座──そしてそれをより良きものへと導くための回路であるはずです。つまり、評論文のより良き読み手となることは、僕たち自身が、この社会や時代を未来へと切り拓いてゆく一個の主体となることに等しいのです。」(「はじめに」より)

【目次】
第1章:〈表象representation〉とは何か?
§1 再現としての表象
§2 代表/代弁としての表象

第2章:国民国家と民主主義
§1 フランス革命と国民国家
§2 一般意思とは何か
§3 多数決について考える
§4 全体主義
§5 ポピュリズム
§6 代議制民主主義の限界を超える

第3章:コロニアリズムの歴史を概観する
§1 近代国家の夜明け
§2 ナショナリズム
§3 資本主義
§4 植民地主義=コロニアリズム
§5 植民地主義とナショナリズムの相関
§6 日本の近代をふりかえる
§7 近代国家としての日本の言語政策

第4章:声を奪われた人々の"声"

【本書で紹介する推薦図書30】
森達也『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ 増補新版 世界を信じるためのメソッド』(ミツイパブリッシング)
佐々木毅『民主主義という不思議な仕組み』(ちくまプリマ―新書)
遅塚忠躬『フランス革命 歴史における劇薬』(岩波ジュニア新書)
重田園江『社会契約論 ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ』(ちくま新書)
坂井豊貴『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』(岩波新書)
石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)
水島治郎『ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か』(中公新書)
小熊英二『社会を変えるには』(講談社現代新書)
高澤紀恵『世界史リブレット29 主権国家体制の成立』 (山川出版社)
谷川稔『世界史リブレット35 国民国家とナショナリズム』(山川出版社)
ヨハン・モスト『マルクス自身の手による資本論入門』(大月書店)
川北稔『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)
吉見俊哉『博覧会の政治学 まなざしの近代』(講談社学術文庫)
三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』(岩波新書)
加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(新潮文庫)
川村湊『海を渡った日本語 植民地の「国語」の時間』(青土社)
石原俊『〈群島〉の歴史社会学 小笠原諸島・硫黄島、日本・アメリカ、そして太平洋世界』(弘文堂)
安彦良和『虹色のトロツキー』全八巻(中央公論新社)
吉田裕『日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実』(中公新書)
モフセン・マフマルバフ『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』武井みゆき、渡部良子訳(現代企画室)
四方田犬彦『驢馬とスープ papers2005-2007』(ポプラ社)
石牟礼道子『蘇生した魂をのせて』(河出書房新社)
森山至貴『LGBTを読みとく クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)
辺見庸『たんば色の覚書 私たちの日常』(角川文庫)
金森詩恩『私のエッジから観ている風景 日本籍で、在日コリアンで』(ぶなのもり)
下地ローレンス吉孝『「混血」と「日本人」 ハーフ・ダブル・ミックスの社会史』(青土社)
ケイン樹里安・上原健太郎編著『ふれる社会学』(北樹出版)
内藤正典『プロパガンダ戦争 分断される世界とメディア』(集英社新書)
ジャン・ベルナベ/パトリック・シャモワゾー/ラファエル・コンフィアン『クレオール礼賛』恒川邦夫訳(平凡社)
庵功雄『やさしい日本語 多文化共生社会へ』(岩波新書)
岡真理『記憶/物語』(岩波書店)

...続きを読む

世界のいまを知り未来をつくる 評論文読書案内 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年11月02日

    表象の再現の不可能性について書かれた始まりから、最後まで一貫して、表象の暴力性について誠実に向き合って書かれた本。
    多くの書籍を紹介しているので、身近に置いて何度も読み直している。辞書代わりに使ってる本。

    石牟礼道子にまた行き着くのだなあ、と、この本でも感じた。

    0

    Posted by ブクログ 2022年06月12日

    めちゃくちゃ良かったです。
    いろいろな視点をわかりやすくそして、詳しく、興味を持てるように書いてありました。
    これを読んだ人がまた新たな視点をもって日々を生きて欲しい、そんな願いが込められているように感じました。
    高校生必読!

    0

    Posted by ブクログ 2022年05月27日

    素晴らしい。高校生や大学生(できれば1年生)には特にオススメです。<表象=代表/代弁>をキーワードとして、国民国家、民主主義、コロニアリズム(植民地主義)やその周辺テーマについて解説するとともに、各分野の推薦図書を紹介しています。小池先生らしく、やさしく、誠実な、読ませる文章で、読者の心を掴みます。...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月18日

    高校生向けの良い読書案内。読みやすい文章で、各テーマのポイントを説明しながら推薦文が構成されているので、自然と読んでみたいと思える内容になっている。
    浅く軽い説明でなくしっかりした論考に基づいているので、本書を読むだけで気づかされることも多い。
    テーマは哲学、政治学、歴史学、社会学など。評論文は自然...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年04月10日

    評論に関心がないという人にも届けたい良書です。
    読書案内とあるので、最初はトピックごとに本を紹介しているのかなと思ったのですが、この本は明確なメッセージ性が根幹にあると思うので、世の中のことを少しでも考えたいと思う人、もしくは自分の狭いものの見方を変えたいと思う人におすすめしたい。

    評論って雲の上...続きを読む

    0

世界のいまを知り未来をつくる 評論文読書案内 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 雑学・エンタメ

雑学・エンタメ ランキング

小池陽慈 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す