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1970年代のオカルトブームによって広く知られるようになった心霊現象の数々。現在では多様なメディアがこれらのアイテムを物語に取り込み、消費している。では、これらを束ねる「心霊」という解釈格子は、はたしてどこからやってきたのだろうか。
明治半ば以降、一気に広まった不思議な遊び「こっくりさん」、人々を熱狂させた催眠術、透視をめぐる論争を巻き起こした千里眼事件を掘り起こし、それらに通底していた心霊学と科学の相克を描き出す。
「信仰」「迷信」「心」と「科学」のあわいに発生して、多くの人々の耳目を引いた明治期のオカルト現象から、日本の近代化の一側面を照らす怪異研究の古典を復刊。千里眼事件の再検討や大正期の催眠術の受容、「こっくりさん」の戦後を扱った論考を増補し、東雅夫氏による解説も所収する。
Posted by ブクログ 2021年07月12日
明治半ば頃から巷に流行したこっくりさんに始まり、催眠術、そこから透視能力「千里眼」が現れ、各界の学者達が科学的に調査分析を行う筈の流れが、徐々に科学を離れて心霊術・宗教の方面へと進んでいく様が分かりやすくまとまっていて良かった。
明治~大正頃の文学作品を読むと普通にこれらの思想ありきの前提で書かれ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月22日
なぜか知らないが興味を持ってしまうことの1つがオカルトだ。
著者によると、「霊」を呼び起こしているのは、「近代」という制度の弊害である。西洋思想が明治時代に入るまでは、「霊」は日本民族の土台としたのが柳田国男だった。
現代の「科学」に重きをおく世界と、「霊」の存在を疑わなかった時代とで...続きを読む
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