大岡信 架橋する詩人

大岡信 架橋する詩人

小説・文芸
968円 (税込)

4pt

4.0

戦後日本を代表する詩人にして,のびやかな感受性と偏りのない知性で,詩と諸芸術,物書きと一般読者,古典と現代,日本と海外,文学者相互の間を橋渡ししつづけた大岡.「分断」「閉塞」が強まる今こそ胸を打つ,希望のメソッドの全貌にせまる.戦後日本の文化・芸術・社会の様相を見晴らせる現代詩入門としてもおすすめの一冊.

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    Posted by ブクログ

    2017年に亡くなった大岡信(1931-2017)の評伝で、『毎日新聞』連載に加筆したもの。連載中から目を通していたが、こうして1冊になるのはうれしい。

    著者の大岡評は「中道リベラル」。大岡自身の言葉で言うと、周囲が加速しているときは「意識的に減速する」。学生運動で自己否定が流行したときは、「僕は現在の全てを肯定する」と静かに宣言する。私が好きな「わたしは月にはいかないだろう」も、アポロ11号の月面歩行の直後に生まれたことを知った。そして、このようにバランスを意識する思想が、「全体か個性か」の二者択一ではない表現形式として、連句・連詩やアンソロジー『折々のうた』につながっていく。

    大岡の思想や表現は、敗戦時の価値変動や冷戦対立を背景としたものである。が、著者のいうように、敗戦から70年以上、冷戦崩壊から30年以上経過しているいま、あらためて必要とされているのだろう。

    0
    2021年10月15日

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