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ある年の春、どこからともなく金製の仮面をつけた怪人物の風評が起こり、東京市民の間で大評判になってしまった。金色燦爛たる怪人は上野公園で開かれていた大博覧会の会場から大真珠を、はたまた日光の鷲尾侯爵邸から国宝級の如来像をまんまと盗み出してしまう。その怪盗にあろうことか娘の不二子が恋情を寄せてしまい、困りはてた富豪大鳥氏は明智小五郎に出馬を要請する。貴重な美術品ばかりを狙う謎の怪盗黄金仮面、その美しくも不気味な仮面に隠された素顔を、名探偵は暴くことができるだろうか? 真に驚嘆すべき傑作に、発表時の雰囲気を伝える吉邨二郎の挿絵を再録した。
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Posted by ブクログ
氏の名探偵明智小五郎もの。
子供の頃夢中になって読んだという人は多いと思います。
読んでいなかった私は、食わず嫌いではいけないと思い、三島由紀夫氏が戯曲化し、舞台・映画になっているので面白いだろうとまず、「黒蜥蜴」を読んでみたのです。
正直、好きになりまししたね。
書き出しがすごくいい。
おどろおどろしいのが何ともいえずいい。
怪しい、妖し~い雰囲気がかもしだされ、次、次と読みたくなるのです。
だいたい創元推理文庫のカバーがいけない。
背のところの写真が、全巻揃えると一幅の絵になる。
マニアっぽい人は集めたくなる。
でもって、
「孤島の鬼」「D坂の殺人事件」「蜘蛛男」「魔術師」「黒蜥蜴」「吸血鬼」「黄金仮面」
となったのです。
「黄金仮面」の導入部もやはり、印象深い。
「この世には五十年に一度、あるいは百年に一度、天変地異とか、大流行病などと同じに、非常な奇怪事が、どんな悪夢よりも、どんな小説家の空想よりも、もっととほうもないことが、ヒョイとおこることがあるものだ。
人間社会という一匹の巨大な生き物が、何か得体の知れぬ奇病にとりつかれ、ちょっとのあいだ、気が変になるのかもしれない。」
これって、今に通じませんか。「黄金仮面」という仮面をかぶってもさえもない奴らの、びっくりするようなおぞましき所業の数々。
ええ、ええ、江戸川乱歩氏の小説にはまっているほうが、現実の新聞マスコミ沙汰より、牧歌的でありましょう、と浸っているとのであります。
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