Posted by ブクログ
2013年11月15日
古屋先生に入るきっかけとなった作品です
光クラブの絶対的なカリスマ・ゼラを筆頭に繰り広げられる、少年たちの残酷劇。14才という幼さゆえの純粋な願い、思いがいつしか狂気となり暴走していく様、崩壊に向かっていく様。一度読み始めるとそのストーリーの行く末が気になって気になって、ページをめくる手が止まりま...続きを読むせんでした
猟奇的な殺人・集団での監禁・少年と少年の同性愛、また少女と機械の純愛など、様々なタブーの中にあるグロテスクさやエロチックさまでもが美しく、丁寧に描かれています(個人的に少女と機械の純愛は残酷なストーリーの中での唯一の癒しでした)
また、終盤はどんでん返しの連続です。誰が正義か、誰が悪かは読み進めていくうちになんとなくわかってくるのですが(もちろんそれぞれ理由がある上での定義です)、個人的には最後の最後にしてやられた感がぶわっと湧き出てきました。便器のシーンはその登場人物の気持ちを考えるとやりきれません。きっとその選択を選んでも選ばなくても辛かったんだろうなあ、と
作品の怪しい世界観をよりいっそう引き立てている素晴らしい絵(冒頭の暗闇での笛のシーン、背景の工場・廃墟、薔薇の処刑シーンなどなど)、そしてそれぞれが非常に魅力的に描かれている登場人物たち。表紙に書かれているそれぞれの異名(?)もぴったりです(最初こそはわからなかったものの、読後に見返すと必ず「なるほど!」という気持ちになります。特に"真実の弾丸"なんて秀逸すぎてひっくり返りそうになりました)
悲しくて切なくて、誰も報われないはずなのにどこまでも儚くて美しい、何度でも読み返したくなる作品です