無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで203万冊以上配信中!
京都府警に持ち込まれた傷害致死事件。引きこもりの大学生が、異様な姿で死亡した。伏見署に連行された母親は「娘の身体を突き破って悪魔が出てくる」と興奮気味に話し、供述は要を得ない。夫の事故死をきっかけに彼女がのめり込んでいた新興宗教は、「悪魔祓い」と称して、信者に加虐的な扱いをすることもあったという。遺体の状況から、母親の虐待を疑う京都府警は、検屍と司法解剖を千夏に依頼するが……(「エクソシズム」)。京都市北区の河川敷で、首のない遺体が発見される。被害者は刺青があり、小指も欠損していることから、暴力団関係者とみなされるが、身元はわからない。激しい暴行を加えられた後、首を切断するほどの動機とは一体何なのか? 現場に駆け付けた検視官の都倉は、何かしっくりしないものを感じながらも、何が違和感なのかわからない。司法解剖を担当した千夏の見解を聞くうち、都倉はあることに気づく。(「梟首」)など、4話を収録。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
小松亜由美さん2冊目。『イシュタムの手 法医学教授・上杉永久子』よりも本作の方が早い刊行だったんですね。こちらも法医学・遺体鑑定に係る医療ミステリーで、法医学(解剖)のリアルを描く原点なのかと感じました。
主人公は法医学解剖医・加賀谷千夏。寡黙だけれども腕はピカイチ。彼女の握るメスが、死者にまつわる謎を解き明かしていく展開です。解剖場面の描写がリアルで濃く、事件や死者の背景が薄い印象もありました。
エピローグあってプロローグなし? 代わって冒頭に秋田の地方紙の事件記事が…。この意味するところは最終話まで不明(ほぼ見当が付いてましたが)。
4篇それぞれで視点人物が変わり、優秀だけれども陰のある加賀谷千夏の、人物像としての輪郭が徐々に浮き彫りになっていく構成の工夫が読み手を惹きつけます。
千夏の司法解剖に向き合う姿勢からは、声無き声を掬い上げ対話する、死者への敬意と行為の矜持が感じられます。また、新米解剖技官の成長譚を盛り込むのも、次作以降に引き継がれているようです。
作者自身も現役解剖技官であり、鋭い観察眼と解剖技能への向上心が、魅力的な2人(優秀な千夏・新米の久住)を創り上げたのでしょう。隣り合わせの死と生が浮き上がる描かれ方に好感がもてました。
Posted by ブクログ
現役の解剖技官の方だけあって、解剖シーンのリアリティは圧巻。
特に最後の凍ったご遺体のシャーベット状の描写がいい意味でえぐい。
あれは本物を知らないと描けないと思う。
新人の久住君の成長ぶりが作中で見えたのもよかった。
最後の話ではインフルエンザで肝心の解剖シーンで不在だったけれども。
不可思議なご遺体を解剖することによって真相を探っていくミステリ。
各話で中心人物が違うのが目線が変わって面白かった。
但し凄腕の千夏さんからの視点だけは徹底的に排除されているように感じた。
辛い過去持ちの彼女の内心はまだ見えてこない。
今後分かってくる展開もあるのだろうか。
変わったご遺体を扱うだけあって、事件の真相は「そんなんありか」と思うネタも。
特に「梟首」の種明かしは凄まじかった。
本気で「そんなんありか」と思ってしまった。
そんな真相すら見抜いてしまう千夏さんの凄さよ。
事件としてだけではなく、全体的な話の雰囲気として印象的だったのは赤いマニキュア(ペディキュア)を塗られた足の話。
話が二転三転して、色々考えさせられる話だった。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
少年・青年マンガ
小説・文芸