あらすじ
「見ないで、涼花ちゃん! ママを見ちゃ駄目ぇ」後ろ手で縛られ裸身を義娘の前で貫かれる菜穂美。不良社員に狙われた社長夫人と勝ち気な令嬢。惨劇の場は地上37階、天空のタワーマンション。緊縛3P、全裸土下座、強制レズ、アナル解剖……助けを求めるセレブ母娘の叫びは誰にも聞こえない!
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久々のヒット!!!
2021年6月読了。
長年の綺羅光ファンとしては、求められるレベルと云うかクオリティが有るので、最近は「ちょっと無いなぁ…」と感じる残念な作品が続いていたのですが、これは久々にヒットでした。
舞台背景やその描写の的確さはもちろん、いつも通りのハードロマン的展開ではあるのですが、男側を主人公と云うか、彼の心情を明示させることで、既存の作品よりも読者側に寄せて展開し、いつもより人道的wな感じを匂わせ、読む側を「共犯者の様な感覚」に陥らせる事に見事成功しています。
ただ、そちらにページを割いた分の代償として、標的となる女性側の内面描写が足りなく成ってしまうのは、やむを得ない所なのかもしれません(もちろん後日加筆して「増補改訂版」を出してくれるのなら大歓迎ですがw)。
「嗜虐系」官能小説に於いて、右に出る者の無い著者にとっては幾分かマイルドな作風で、初めての方にも読み易い作品となっています。
ポリティカル・コレクトネスが社会を席捲(?)している昨今、世間から求められる(許される?)のはこういうマイルドな路線なのかもしれません…。
皮肉な言い方ですが、この手の「官能小説」ですらそういう「時代の流れ」の様な軛(くびき)には逆らえないのかと思うと、若干寂しい気持ちもしました。特に「二重人格っぽい社長の娘」は、新たな開拓分野としての可能性も感じましたし、もっともっと(!)厳しく突き詰めて欲しかったなぁ。
綺羅光先生、これからもハードな世界を探求して頑張ってください!