【感想・ネタバレ】外道の群れ 責め絵師・伊藤晴雨伝のレビュー

あらすじ

緊縛された女体美に魅かれ、生涯責め絵師として生きた伊藤晴雨。晴雨が惚れきった島田髷の似合う美少女・兼代(お葉)は、美人画で知られる竹久夢二と恋に落ちてしまう。愛人を奪い取り、お葉によって才能を開花させた夢二に、晴雨は嫉妬で身を焦がしてゆく--。妖しい雰囲気に満ちた大正時代を背景に、外道たちが織りなす変態絵巻。

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Posted by ブクログ

2019年、14冊目は、久々の団鬼六作品。

責め絵師、伊藤晴雨の関東大震災までの半生を綴った伝記もの。

SMスナイパー由来か、漫画家の丸尾末広由来かは定かでないが、その名は知っていた伊藤晴雨。数年前、この続きにあたる『異形の宴』を読み、違和感を覚え、調べたところ、『異形の宴』はこの『外道の群れ』の続編にあたると知り、探していた一冊。

自分が欲しかった(モデルであり、愛人を、当時、大人気であった、竹久夢二にとられるという)エピソードはコチラ『外道の群れ』にあった。もちろん、時代に背いた性癖を持った絵師。エピソードはソレだけには止まらないが……。

団鬼六的、倒錯官能を期待すると、ベクトルはやや異なる。それでも、団鬼六作品に時折見られる、男の虚勢、強がり、その裏側の脆さ、苦悩は、上手く描かれている。

今後、『異形の宴』も続けて再読するつもりであり、評価はその後、変化する可能性あり。

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2019年05月29日

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