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第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しか飼えないリックは、かくて火星から逃亡した〈奴隷〉アンドロイド八人の首にかかった賞金を狙って、決死の狩りを始めた! 現代SFの旗手が斬新な着想と華麗な筆致で描く悪夢の未来世界!
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Posted by ブクログ
本物」という執着を捨てて見つけた、人間としての「勝ち」 核戦争後の荒廃した世界で、哀愁ただよう主人公リック・デッカードは、逃亡したアンドロイドを「処理」する賞金稼ぎとして、常に「本物」と「偽物」の境界線に執着していた。本物の動物を飼うことがステータスとされる社会で、偽物の「電気羊」しか持てない自分...続きを読むに劣等感を抱き、懸命にアンドロイドを排除することで自らの人間性を証明しようとする。 物語の核心は、人間とアンドロイドを分かつ「共感能力」にある。人間は共感があるから人間であり、それを持たないアンドロイドは機械として処分される。しかし、リックは任務を通じて、死を恐れ、仲間を想い、必死に生きようとするアンドロイドたちに接するうちに、皮肉にも彼らへの「共感の奥地」を開いてしまう。相手の痛みや孤独が自分のものとして流れ込んでくる。その過剰なまでの感情の揺らぎこそが、彼をボロボロにする一方で、彼を誰よりも人間らしく変えていった。 象徴的なのは、ラストのヒキガエルだ。ようやく見つけた「本物」の希少なカエルが、実は電気仕掛けの「偽物」だと分かった時、以前のリックなら絶望していただろう。しかし、マーサーとの融合を経て、孤独の中に救いを見出した彼は、それを静かに受け入れる。 「本物か偽物か」という社会のルールで言えば、リックは精神を病み、偽物を掴まされた「負け」かもしれない。しかし、たとえ機械であっても、偽物であっても、その存在を愛おしいと「許せる気持ち」を持てたこと。その感情の真実こそが、リックがたどり着いた究極の人間性であり、この残酷な世界に対する真の勝利なのだと感じた。 読みやすくそれでいて内容の濃い作品であった。
あんなにすばらしい歌手だったのに──映話をすませて受話器をもどしながら、リックはそう考えた。おれにはわからない。あれだけの才能が、どうしてわれわれの社会の障害になるわけがある?
人間とは
独特な世界観で語られ始める本作。 慣れてきたと思い始めた矢先に怒涛の展開が待ち受けていて最後まで飽きさせない。 アンドロイドと人間の境界が曖昧になっていく中で、人間足りうるものが何なのか。 私は『慈しむ心』ではないかと感じた。 だからあの終わり方なのだと。 訳者あとがきでは、この難解な作品を紐解...続きを読むくための手助けをしてもらえているようだった。 作者の意図の多くを汲み取れなかったであろう私でも、その一端に触れることができて助かりました。
#ドキドキハラハラ #深い #共感する
面白かった。 凄い読みやすかったと思う。翻訳も素晴らしかったのだと思う。 色々考えさせられる作品だった。
#深い
何といっても最後の展開がとても素敵 主人公・リックは頭が切れる方なのであまりストレスなく読める。 それはそれとして、生粋の日本人のため、稀少な生き物をペットにするよりも、折角の科学の発展ならドラえもんが家にいる方が社会的ステータスになるだろ、あの世界の日本人は何してるんだ。という考えがずっとあった...続きを読む。(年代的にもドラえもんは居ないだろうけども) 本当に生きているなら健康被害が頭によぎってしまうくらい丸々とした猫ちゃんロボだとか、生き物の模倣ではなくてアンドロイドカスタムで己の可愛いを突き詰めててくれ。
ブレードランナー原作とは知りながらも違った味わいにどんどん引き込まれた。人間とアンドロイド、そしてSF的に構築された倫理にら基づく世界観、ここにドラマ性があって成り立つ物語。一気に読み進めることができたし非常に示唆に富む内容だと思いました。
あまり読まない外国の小説にチャレンジ。アンドロイドと人間の境界が曖昧で、脳負担が高い作品であったが、その分時間をかけてゆっくりと楽しむことができた。
SFってスケールの大きさとか展開で見せるイメージ。だけど、この作品はどちらかと言えば人間とは?アンドロイドとは?というように内面にスポットが当たっていて、文学作品の一面も強く、そこが魅力的でした。 血が通ってるか分からないような人間が出てきたと思ったら、まるで人間のように心が通ってるアンドロイドが出...続きを読むてきたり、境界が曖昧な世界だからこそ、上記のようなメッセージ性が強くなっていて考えさせられます。 あとは、動物がほぼ生息していない世界なので、動物の所有自体が社会的なステータスになっていたり、人のなかでも優良・不可みたいな格付けがされていたり、そういった設定もユニークで興味深かったです。 この作品の発売が約60年前ですか。まったく古臭さを感じませんね。AIが発展していく時代になればなるほど名著として輝きそうです。 ちなみに余談ですが、映画のブレードランナーは死ぬほど面白くないです。
SF小説は世界観を受け入れるまでが大変だと思った。 主人公の賞金稼ぎがアンドロイドを始末していく中で、アンドロイドに人間らしさを感じていき仕事に対する心境の変化が読んでて楽しかった。
思っていたよりもずっと読みやすかった。未来の設定だから見たことがない技術のオンパレードのはずなのに、すごく自然に状況が想像できた。訳者の腕が良いのだろうな。 映画もあるらしいからみてみたい
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