作品一覧

  • 転落・追放と王国(新潮文庫)
    4.3
    1巻737円 (税込)
    パリでの弁護士生活を捨て、暗い運河の町・アムステルダムに堕ちてきた男、クラマンス。彼の告白を通して、現代における「裁き」の是非を問う、『異邦人』『ペスト』に続くカミュ第三の小説『転落』。不条理な現実、孤独と連帯といったテーマを扱った六篇の物語からなる、最初で最後の短篇集『追放と王国』。なおも鋭利な現代性を孕む、カミュ晩年の二作を併録。
  • 異邦人(新潮文庫)
    3.9
    1巻649円 (税込)
    母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)

ユーザーレビュー

  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    僕は言葉の上では絶望したがりなので浅はかにもカフカが好きなんだと思っていたけれど、もしかするとカミュのほうがよっぽど性に合っているのかもしれない。"どうしてこんな悲しいことが起きているのに自分は泣けないのだろうか"と考えた夜があったけれど、あの日の僕が少しだけ慰められた気がした。言葉にすることは、自分を取捨選択するというよりも、自分を言葉のとおりにすることなのかもしれない。だからこそ、ムルソーの極度な誠実主義は彼に黙ることを最善とさせたのだろう。

    僕は極度に自己を中心とした世界に生きている。そのおかげか、所謂倫理観というものを人並みほどは持ち合わせていないらしく(友人に指

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    2026年04月04日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    人が人を裁く時、人間はこうあるべき、という倫理のもと理由をつける。人が神を信仰するのも、何か理由を求めてのことだろう。弱さゆえ、こうすれば救われると信じたい。主人公のルムソーはそんな弱さを超越した自身の真理をもっている。強い光だと思った。夏の太陽みたいに。

    ルムソーの生き様、わたしはめちゃくちゃかっこいいと思ったし憧れすら感じたけど、実際にこんな人間がいたら理解されないんだろうな。悲惨な事件があったとき「何でこんなことが出来るのか理解できない!」という声をよく聞く。犯人の動機、背景を突きつめていく。みんな理由がほしいんだ。

    理由って本当に必要なんだろうか、って考えてしまうね。太陽のせいだと

    0
    2026年03月11日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    残酷ではないのだろう、きっと何も知らないまま生きていただけ。愛も悲しみも幸せも感じられないまま育ってしまったのだろう。海の美しさに目を奪われながらも怒りや憎しみが抑えきれない彼を誰も許すということはできないのだろうか。何かを訴えかけるような太陽のせいという言葉にやはり引っかかる。考えさせようとしてくる作者が好きだ。

    0
    2026年02月22日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今までで一番揺さぶられた小説。主人公ムルソーの言動は読者の生活、人生そのものの基盤を根本から揺るがす。ムルソーは明らかに真理である。そしてそれは悲しいほどに非人間的で無関心な真理である。読んでいて苦しくなるが、これほどの重大な問題を突き付けてくるという意味で素晴らしい小説である。

    0
    2026年02月21日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    これが「異邦人」か。ムルソーが不条理な人物なのだろうか、不条理な男が不条理な殺人を犯した話なのだろうか。生まれたら死ぬのが宿命だ、それを人為的に行うのが不条理なのだろうか。
    44歳でノーベル文学賞を受け、当時活躍中のサルトルと並んでさまざまな見地から評される作品を書いた。
    「実存主義に沿った作品かそうでないのか」当時、難しいサルトルの哲学をあてはめてよいやら悪いやら、という風潮もなかったとは言えないが、カミュとして、彼の作品はそういったサルトルの思想とは関係ないと断じている。

    裁判に入り、ムルソーに対する裁判長の言葉はあながち間違っているわけではない。冒頭の「きょう、ママンが死んだ」にしても

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    2026年02月08日

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