ホラー小説大賞の集成1は、私には合わなかったため、期待せず読んだ。(1と2同時に買ってしまったので)
でも、こちらの本はおもしろかった。「サンマイ崩れ」と「鼻」は、オチに驚いた。「トンコ」は、オチが切なかった。「生き屏風」はオチにほっこりした。「寅淡語怪録」は謎が多かった。(でもおもしろかったと思う)「穴らしきものに入る」はオチに笑った。
■サンマイ崩れ 吉岡 暁
→ワタナベさーーん!!なんて素敵なご老人なんだ。元々いい人だったんだろうね。
たまたま出会った「僕」のために、川を渡ってくれたんだ。てっきり、「僕」に悪霊か何かでもついているのかと思った。
自殺未遂直後の記憶が全くなかったこと。ボランティアに来たと言ったのに、警察も役場の人も、何も言わなかったこと。アキやんは、ワタナベさんをあやしい、気をつけろと言うばかりで、僕には何も悪態をつかなかったこと。いつもは出る病気の症状が、何故かワタナベさん相手には出なかったこと。
正直、文字も多いし、精神病を患っている「僕」
視点では、読むのに苦労した。早く読み終わりたいと思いながら、1週間くらいかけて読んだ。
でも、オチがすっごくよかった!!!!ワタナベさんの優しさに心打たれた。
わざわざ病院を抜け出してボランティアに来た「僕」も、優しい人だったのかな?
■鼻 曽根圭介
→どっちもどっちだね。通り魔が、ヒビノを襲わなかったら、こんなことにはならなかったのか?
救国青年団の制服=私立の高校の制服?
厨二病かよ〜。
ヒビノといっしょにいた女は誰なんだ?それも自分の想像?
どれが妄想でどれが真実なんだ!?
■トンコ 雀野日名子
→トンコは人間から逃げているわけではなく、きょうだいたちの声がするほうへ移動している。
豚は自分が食べられることに気づいているのかな。生姜焼きを見て、自分のきょうだいだって分かるのかな。
場長が、トンコのかつてのきょうだいだった生姜焼きを丁寧に扱う様子はよかった。
この話に出てくる人間はなんか嫌な感じ。公園でジャーキー(トンコのきょうだいだった)を巡って喧嘩した飼い主とか、豚を見たと子どもに報告されただけで、子どもが襲われそうになったと保健所にクレームいれる母親とか、なんか醜いと思った。
トンコは、きょうだいたちの思い出がたくさんあり、きょうだいたちを求めて移動する様子が切ない。
■生き屏風 田辺青蛙
→正直、ホラー小説か?と思った。怖い要素は何一つなかったような気がする。登場人物が、鬼と屏風に憑いた幽霊だから、一応ホラーなのかな?
最後は、ふたりいっしょになってよかった!友情だね!
■寅淡語怪録 朱雀門 出
→謎が残る。主人公は、本に選ばれたってことなのかな?
結局、ぼうがんこぞうって何なの!?死体生け花の煉瓦屋敷とは!?
世の中のどこかにありそうな話ではあるけど、謎が多すぎる。。
■穴らしきものに入る 国広正人
→笑って読んだ。主人公の穴への執着には脱帽。他にはどんな穴に入れるんだろう。
酸素ボンベは爆発するのかな?家が火事になったりする?主人公の遺体はコンセントサイズのままなのか?保険金は下りる?
そもそもこれはホラー小説なの?主人公が穴ライフを満喫する姿はなんだか微笑ましかった。