新人賞受賞作ということで、(黒幕らしき人物の影はちらつくものの)きれいに一巻でまとまってはいる。
ラブコメパートはさておき、シリアスシーンでの文章表現や語彙は懲りすぎず稚拙すぎず、なかなか読みやすかった。MFの傾向だから仕方ないかもしれないけど萌えを意識しすぎないシリアスバトルもの書いてほしいな
...続きを読むぁ。
キャラクターは弱く、本作内では個性付けで書き分けはできているものの、全員「どこかで見たテンプレキャラ」の枠を脱し切れていない。
ただ、主人公の命を狙う敵から主人公を颯爽と守るヒロインとの恋愛、となる展開が多いところ、ヒロイン自身が主人公の命を狙う敵のような位置づけで登場するダークヒロイン(アンチヒロイン?)的設定は面白かった。
しかし同時に、主人公がなぜあれだけ恐怖の対象であったヒロインに惚れたのか、それも自分の身を投げ出して彼女に尽くしてしまうようになるほど惚れたのかがわからず置いてけぼりにされた感がある。(デートなどは成り行きでしているものの、身をなげうつほどに絆を深められていたようには見えなかった。)
キャラや展開、世界観は特に突出したものを感じなかったが、ダークヒロインの設定は面白く、バトルシーンの文章はわりと好みなほう。総合して平均くらいかな。
※ヒロインに命令されて脚を舐めさせられたり主人公がそれによって痛い目(ガチ出血レベル)にあったりするのでそういうの好きな紳士の方は燃えると思います。