暗い夜空を彩る青い月は、恋の誘惑。輝く星は、恋人の瞳。だから、きらきらした夜が好き。月も夜も消えないで。郁実は振られてヤケ酒を飲んで帰って来た。恋が破れた夜は真っくらくら。この先、もう一生ときめきなんてないんじゃないかって、いつもながら思うのよ。アパートに付くと部屋の前に圭祐がいた。「何してんのよ、人んちの前で」「待ってたんだろ。郁実が泣いて酔っぱらって帰って来ると思って」「何よっなんで…」「俺のネットワークを甘く見るなよ」「なんであんたまで入ってくるのよ」「恒例だろ。ヤケ酒の翌朝、必ず飲みたくなる野菜ジュース。失恋した時にだけ吸う煙草。美味しい水。お決まりのビデオ。こんな所だろ」「…やな感じ」「いい加減覚えるさ。何回目?」 ――表題作「2人で愛しあうのなら」ほか、「It must be Love」「夜中の宝石」「君とこの夜に」「ジュ・テーム モナムール」を収録。
「――しょせん 一夏のマドンナか」黒い服が似合う3つ年上の未亡人に恋をした(第一話Baby's in Black)。 5年前に恋した男、今この気持ちは友情?それとも…(第二話Yellow-Banana Moon)。 キュートすぎる彼にコンプレックスを感じる私の恋の行方(第三話Cherry red kiss)。花田祐実が綴るビタースイートなラブストーリー集。※この作品はデジタル雑誌「素敵なロマンス」に掲載されたものを再編集したものです。
好きになってはいけない人に、恋したことがありますか? 堤が愛してしまったのは、親友の妻。ガラス一枚隔てられた、手の届かない人。心の中は、こんなにも燃え上がっているのに……。せつなさと甘さに満たされた表題作『きっと甘いくちびる』のほか、『Fly Me, To The Stars』『プロポーズ』『彼女は夏の出来事』の3作を収録。