FGOはジキル贔屓で、彼が登場すると聞いて購入しました。
文体は他の方のレビューで指摘されるほど酷いとは思いませんでした。
癖が強いのは確かですが下手ではないです。
ライアーソフトは異国情緒あふれる独特の世界観と詩的で絢爛なテキストが魅力なので、その雰囲気を引き継いでると思います(静謐のハサンのパー
...続きを読むト等)
そして日常パートも心の機微の汲み取り方が丁寧でとてもいいです。
結論から申し上げるとFGOのジキルが好きなら是非読んでほしい。
幕間で語られる前マスター「タツミ」がどんな人物か、マスターである以前に時空を超えて巡り合った、互いの「正義」に共感する友人同士だった彼らが、何を思い何を願い共闘したのかが描かれて一層設定が掘り下げられます。
そして登場人物(主にサーヴァント)がとにかく容姿を絶賛されます、やたら顔を褒められています。
立ってるだけで男を欲情させるデンジャラスビューティーなアサシンも凄いですが、「美男子」「予定がなければいつまでも眺めているのに」など、顔面偏差値B+以上じゃないと座に召されないのか……!?と疑いたくなります。
エピソードが時系列通りに配置されてないこと、視点の交替が頻繁で展開が錯綜する構成上の欠点を差し引いても、推しが聖杯にかける願いの理由をもっと知りたい等、FGOの設定を補完する意味では購入の価値ありです。だからこそ断片(フラグメンツ)というタイトルなのでしょうが……
本筋には全く関係ない個人的感想を述べるなら、デザインラフに眼鏡をしているジキルがいるのですが、フラグメンツでは眼鏡をしてなくて一体彼はどっちが正しいんだ……!?と謎が増えました。