阪神評論本多数の岡田元監督の最新作(2013)。昨年のBクラスからの躍進の理由を解説する前半は、はっきり言ってスポーツ紙を読んでれば十分な気がしなくもない。しかし、岡田さんの文章が他の解説者と違い、スポーツ紙の1コーナーに留まらず、書籍になるのかといえばやはりその卓越した論理的文章にある。岡田さんの
...続きを読む論理は数学のように明解で読んでいてほつれた糸が解ける爽快感があるのだ。
この作品の白眉はオリックス監督経験を経た論理にある。阪神での輝かしい実績と、打って変わってのオリックスでの散々な結果。その内実が語られていて実に興味深い。野球の組織論ははっきり言ってビジネスでも使える。野球の監督も会社の管理職も、人を上手く使わないと成績が残せないという点で全く同じだからだ。その意味において岡田さんの成功経験と失敗経験は実に参考になる。そして、その経験は外から自分が見ている野球にあるから想像しやすく面白いのだ。要は知ってるヤツらの裏話が面白いというオマケもあるから分かり易さ100倍なのである。