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  • 小説家のための編集教室

    小説家のための編集教室

    小説・文芸

    4.0
    1巻2,640円 (税込)
    どこを直せばよいかわかる。書き直すたび、うまくなる。 ベテラン小説編集者と学ぶ、自分の手で作品を完成させる〈編集〉のレッスン。 そう、本当に求めていたのは書き方でも稼ぎ方でもない。「磨き方」なのだ。 ——青崎有吾(小説家・『地雷グリコ』) 小説の書き方を教える本はたくさんあります。 でも、書き上げた原稿を「どう直すか」を教える本は、ほとんどありません。 本書は、多くの新人作家をデビューへ導いてきたベテラン小説編集者が、作家が自分の作品を改善し、物語の魅力を引き出すための「セルフ・エディティング」の技法を惜しみなく明かした一冊です。刊行以来30年以上にわたって愛読されてきた、小説家の必携書です。 人物造形、場面描写、会話、モノローグ、動詞の選び方、改行の位置──。 小説編集者が原稿のどこに目をとめ、どう直すのか。誰もが知る名作から新人作家の習作まで、幅広い小説作品を題材に、修正のポイントと添削前後の文章を豊富に紹介します。 また、各章末には「編集のためのチェックリスト」「練習問題」を収録。自分の書いた原稿のどこを見直せばよいか、実践を通じて推敲の技術を身につけることができます。 本書を読み進めるうちに、あなたは自分の原稿を編集者の目で読めるようになるでしょう。 削り、直し、みがき上げる。本当に書きたかった物語の芯をつかみ、自分だけの文体=ボイスを見つけるために。 小説を書く人はもちろん、ライター、編集者、文章を仕事にするすべての人に役立つ一冊です。

ユーザーレビュー

  • 小説家のための編集教室

    Posted by ブクログ

    小説の描写力を高めたい。読まれる文章を書きたい。そんな思いから手に取った一冊だ。

    本書は、ベテラン編集者のレニ・ブラウンとデイヴ・キングが、小説の推敲技術を十二のテーマに分けて解説する実用書である。描写と説明、人物造形、視点、会話、段落の分け方など、扱う範囲は幅広い。練習問題とその回答集も付属しており、実践を通じて編集技術を学べる構成となっている。

    結論から言えば、概ね期待どおりの内容だった。

    本書の優れているところは、初心者が陥りがちな文章表現の問題を具体的に指摘し、どのように書き直せば洗練された文章になるのかを実例によって示してくれる点だ。

    例えば、「まさか、本気じゃないでしょう」と驚いて言う人物の描写。一見すると何の問題もないように思えるが、編集者の目から見れば改善の余地があるという。こうした、普段なら見過ごしてしまいそうな文章の問題点を教えてくれるのだから、非常に実用的だ。

    また、興味深かったのは、先に読んだ『プロの編集者&小説家が教える クリエイターのための賞を勝ち獲る小説の書き方』と、内容の多くが共通していたことだ。

    説明しすぎないこと。登場人物の知識や認識を逸脱した地の文を書かないこと。洋の東西は違っても、編集者が注意を向けるところは似ているのだなと思った。

    ただし、本書は編集の指針を示しながらも、絶対的な正解を押しつけようとはしない。編集者が好む表現と、作家が書くべき表現は必ずしも同じではない。最終的にどのような文章を選ぶのかは、書き手自身に委ねられている。

    この姿勢には好感を持った。

    一方で、気になるところもあった。

    まず、原著が英語であるため、日本語の文章にそのまま当てはめるのが難しい技術も見受けられた。例えば、副詞の扱いである。英語と日本語では語感が異なるため、英語で不格好に聞こえる表現が、日本語でも同じように不格好に聞こえるとは限らない。

    もっとも、副詞を使わずに文章を書くこと自体には意味があると思う。表現に制約を設けることで、別の言い回しを工夫するようになるからだ。実際、私自身もそうした工夫を実践した結果、文章を褒められる機会が増えた。

    したがって、本書の技術は日本語の特性を踏まえながら応用する必要があるだろう。

    もう一つ困ったのが、最終章で扱われる「ボイス」という概念だ。明確な定義が示されないまま議論が進んでしまい、白状すると、最後まで何について説明しているのか理解できなかった。

    そして、何より驚かされたのは、『グレート・ギャツビー』を編集するという練習問題である。

    文学史に残る名作であっても、現代の編集技術という観点から見れば、修正すべき箇所が現れる。比類なき文学の金字塔にまで編集のメスを入れるとは、恐れ入った。

    同時に、ここには興味深い問題が潜んでいるようにも思う。

    現代の編集技術に照らして洗練された文章が、必ずしも文学的に優れた文章であるとは限らないのではないか。

    編集技術は、文章をよりよくするための道具である。しかし、その道具をどのように使い、どこまで手を加えるのかを決めるのは、結局のところ作家自身なのだろう。

    本書は、編集技術を身につけるための実用書であると同時に、自分にとって「よい文章」とは何かを考えさせてくれる一冊でもあった。

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    2026年10月12日

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