ピエール・クラストルの作品一覧
「ピエール・クラストル」の「グアヤキ年代記 ――遊動狩人アチェの世界」「暴力の考古学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ピエール・クラストル」の「グアヤキ年代記 ――遊動狩人アチェの世界」「暴力の考古学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
南米パラグアイの先住民グアヤキの参与観察に基づく民族誌。原著は1972年に刊行されているらしい。静寂の出産現場から始まり、生活の様子のみならず著者の熱意により解き明かされた儀式の裏にある神話や世界観までも詳細に語られていて面白かった。部族内の不倫などを逐一把握していて著者に告げ口に来る子供たちが可笑しくて笑う。
しかし、あまりに世界観やものの道理が私たちと違うので読むのに苦労するところもあった。
雷に打たれて赤ちゃんが死ぬと、その「復讐」のために赤ちゃんのおじにより関係ない男の子が殺され、特に殺人が罰せられることはなく血の穢れを祓う清めの儀式のみが行われる。さらに殺された男の子の「復讐」のために名付け親的存在の男性が立ち上がり、清めの儀式に携わった夫婦の娘を殺す。やはり殺人は罰せられることなく、清めの儀式のみが粛々と行われる……。このあたりは私たちと全く常識が違うので理解が追いつかず、えっ?えっ??と何度も?が頭に浮かんだ。
男性が死ぬとその霊の慰めとして娘が殺される、というくだりはまだひどいとは思えど理解はできたが、いかに倫理や道理というものが普遍ではないローカルなものか考えさせられる。けれどそれは、決して不快ではない。人間共通の倫理や常識なんてないのだ、と思い知らされることは、どこかすがすがしい感じすらある。世界は広いなあ。