飛行機が墜ちて戻ってのタイムループ! 間隔も徐々に短くなり… エモさも抜群なサスペンス #螺旋墜落
■あらすじ
息子をこよなく愛するチャーリー、彼女は息子セオが副操縦士として操縦する飛行機に搭乗していた。チャーリーは息子との関係を修復する必要があったのだ。
まもなく到着するロンドン時間午前0時、なんと飛行機が墜落してしまうのだ! しかし次の瞬間、チャーリーが気が付くと時刻は午後11時1分、まだ飛行機に搭乗中だった。どうやら時間が繰り返していると知った彼女は、墜落を食い止めるようと奔走する…
■きっと読みたくなるレビュー
おもろい! サスペンススリラーの良作ですね、ぐいぐい惹きつけられました。
いきなりなんですが、私、飛行機が苦手なんですよ。高高度の高速移動、密閉された逃げられない感じがして、不安に襲われるんです。何回のっても慣れないんですよねー、いくつになっても怖がりという情けなさです…
さて本作は、そんな非日常空間な乗り物、飛行機を舞台にした物語。あらすじのとおりタイムリープもので、飛行機の墜落するのを止められるのか?!というのが本筋です。
確かにそこが読みどころではあるのですが、それよりも私はキャラクターの人生模様や親子の繋がりを推したい。
主人公はミドルの女性チャーリー、彼女はパイロットである息子セオを溺愛している。しかし父親は訳アリのようで、チャーリーはセオに対して父親のことをずっと秘密にしていた。一方セオは、一度も会ったことのない父親に対し、歪んだ執着をもっている。しかしその父親はなんと…
え、飛行機墜落の話と関係なくね? って気がするんですが、ちゃーんと全部が連携してるんです。最初から最後までストーリーに没頭させる構成がお上手でした。
また読み終わってみると、自身の両親のことを思い出しちゃうんのよ。いろいろあったけど、今振り返ると愛されてた気がするなー。そして我が子どもを見ていると、父親として愛してあげられているのか不安になってしました。
さて物語は終盤にはいると、それはもうスピード感がハンパねぇす。え、え、無理でしょ、えーーーって、怒涛の展開。マジで読む手が止まんないので、しっかり時間をとってから終盤に入りましょう。
ハラハラドキドキのサスペンスだけど、単に面白かったー!だけでは終わりません。それ以上に胸に熱いものが押し寄せてくるエモさ抜群の作品でした。
■私とこの物語の対話
これまで長い人生を歩んできて、色んなな選択をしてきたなー。私にとって一番大きな人生の岐路は、24,5歳くらいから始めたバイト先。そこでの仕事や人間関係がなかったら、もっと不幸な人生をだったに違いない。
でも最近になって少し考え方が変わってきました。
その選択は私にとって偶然なのではなく、必然な出来事だったのだと。当時も今も私は私、そうなるべくして今の自分があると考えるようになってきたのです。
年齢を重ねるほど、どんどん時間が短く感じるようになる。残された人生、自分の時間を大切に、自分を信じて生きてみたくなりました。