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  • マイ・ゴーストリー・フレンド

    マイ・ゴーストリー・フレンド

    小説・文芸

    3.7
    1巻2,310円 (税込)
    第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作 団地ホラー×ギリシャ神話×SF大作 「最近、少しずつ人が、消えているのです……」 団地で頻発する怪異を撮影する下流役者・佐枝子の前に、異界の扉から恐るべき物語が溢れ出す。 売れない役者の佐枝子は、ホラー映画脚本家の紹介で、都内の団地で頻発する怪奇現象を調査するドキュメンタリー映像のレポーターを務めることになった。さっそく当該の団地で寝泊まりした朝、窓から外を望むと、隣接する公園で四つん這いの大男を棒で打つ女と、双眼鏡でこちらを窺う怪しいファミレスのウェイトレスを目撃する。不気味に思いながらも周囲の人々に話を聞くと、団地のあちこちで大蛇が這いずったような跡が見つかり、管理人や住民の奇行が目立ち、行方不明者も出ているらしい。さらに、10年前に老婆が何者かに殺されて以来、呪われていると噂の部屋に赴くと、『666』から始まる走り書きと浴室にびっしりと生えた黒い大きなウロコが……第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞に輝いた、ギリシャ神話の世界が現実を侵食する団地ホラーSF大作。

ユーザーレビュー

  • マイ・ゴーストリー・フレンド

    Posted by ブクログ

    第12回ハヤカワSFコンテストでは2つの作品が大賞となったが、どちらも読み終えて全く納得いかなかった。この2作品はとてもSFとは思えない。辛うじて、設定の奇妙さに重きを置いて読めばSFと言えなくもないが、それでもとても大賞とは思えなかった。選考委員の評価もバラバラで、実際に評価は二分された。特に神林長平の選評は酷かった。自分が推した作品(羊式)の良さを高評価するのではなく、自分が推した作品を読んでそれに感動した自分の感性を他の選考委員に強要するというトンデモ評価をしてくれた。こんな書評はあり得ないだろう。作者に対しても失礼極まりない。即刻、神林は選考委員を辞めるべき。

    選考委員の東浩紀は、今回対立した神林に耐えかねて選考委員を辞退する意向を示している。その東が、今回の最終候補作は過去12回の中で最も粒が揃っていたと評していた。これは、みんな小粒で揃っていたという邪推を誘うような言い回しだ。ならば、大賞2作品の他に選ばれた優秀賞受賞作品「マイ・ゴーストリー・・・」を読んでみれば、粒の大きさが判別できるだろうという思いに至った。大賞だけでなく優秀賞までも書籍化すると判断した早川書房の英断に感謝したい。さあ、粒の大きさを判断しよう。

    本作品も大賞2作品と同じで、最初の部分はSF口調ではない、ホラーでSFではなかった。どんどん読み進めて行ってもSFではなくホラー度がどんどん高まっていくのだが、知らず知らずのうちに作品にのめり込んでいった。面白い、確かに面白い小説、この作者は文章力が極めて高い。更に言えば、大賞2作品とは明らかに実力に雲泥の差があった。半分くらい読んで、この作品の方が大賞だろうと確実に認識した。自分にギリシャ神話の知識があったから澱みなく読み進めたのかもしれないが、ホラーとギリシャ神話との間にこんなにも親和性(神話性)があるとは予想していなかった。これはきちんと下調べを行っている証拠だ。そして最後の第三部でようやくSF小説らしくなってきた、好感触。そのSFの性質についてはかなり強引なロジックではあったが、所詮SFはフィクションであるからして、その点は割引いて評価しても良かろう。稚拙なSFと評する人もいるかもしれないが、著名なSF作家と比べてもあまり大差ないレベルと思う。山田正紀の「神狩り」のレベルには遥かに及ばないが、同ジャンルのホラーで言えば宮澤伊織の「裏世界」レベルの領域には十分達していると思う。

    東の情報だと、6人の作者のうちカリベ氏のみがアマチュア作家とのこと。これには驚いた。とてもアマチュアとは思えない作品のスタイルを紡ぎ出してくれる。繰り返しになるが文章力は確実にあるし、文章の構成も秀逸、事前調査もきちんとしている。唯一の懸念点は、この作品を作り上げるのにどれだけの期間を使ったかということ。私としては寡作家であっては困る。一旦SF作家でデビューしたらどんどん作品を書き続けて欲しい。早川書房も担当をしっかり付けて出版を促進して欲しい。SFと言ってもジャンルは広いので、先ずは御自分の好きなSFの分野を中心に進めて多くのファンを獲得することも重要。

    ということで、早川書房はカリベユウキをしっかり捕まえておくべき。うかうかしていたら、東京創元社だけではなく、大手出版社からも狙われる可能性もある。ホラー小説だけだと読者の裾野が広がらない。文章力があるので最近流行しているSF作家の脱SF、ひいては芥川賞も夢ではないかもよ。調査能力もあるので「同志・・・」の様なベストセラー作家に化けるかもしれない。夢が果てしなく広がる要素を沢山お持ちだが、重要なのは第二作目をどうするか、全てはこれにかかっている。さあ、カリベユウキはどこへ行くのか。楽しみです。

    P.S.
    本作品は途轍もなく大粒でした。それを見抜けないSFコンテストの選考委員は新人を発掘する能力・資格なし。第13回は選考委員を総入替だな。

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    2025年03月20日
  • マイ・ゴーストリー・フレンド

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いやあ。ギリシャ神話+SF+ホラー、いろいろ設定がぶっ飛んでて良かった。ただ、その分全体が荒い感じがした。キャラクターの心情、周りの登場人物の行動、感情がとっ散らかったままだったのは気になった。薮崎も、いろいろ駆けずり回って情報集めてたのに結局蚊帳の外で、ミサキに一方的に向けていた栗川のねじ曲がった感情の理由もあやふやなまま。また、主人公である、佐枝子と、この物語きってのチート&ハイスペックキャラのミサキが「ゴーストリー」な関係になったのかが急ぎ足過ぎて、そんな関係になるような感じあったかな?と思ってしまった。更に、佐枝子の口調の、男っぽいようなぶっきらぼうな感じがなんか、わざとっぽく不自然さを感じてた。それがノイズになりなかなか読み進められなかった。
    物語は壮大かつ濃密なSFホラー、しかし舞台は団地という限られた場所で、ギリシャ神話に憑かれ役者となり揃い演じていたのに、溢れ出す事なく終幕してしまった。実にあっけない。本当に実に。地下深くで死闘があったことも、何もかもが「無かった」事になってしまった。もっとページ増えてもいいし、何なら上下巻っいいからキャラクター佐枝子以外のキャラクター、ミサキや栗川の過去や薮崎の活躍などあっても良かったのではないかな、と思った。
    でも、改めて設定はぶっ飛んでて好きだったので、次回作も期待してる。

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    2026年06月13日
  • マイ・ゴーストリー・フレンド

    Posted by ブクログ

    何より面白かった!これに尽きます。最初は不気味なホラーで始まり、これがどうミステリーやSFに展開していくのか??という感じでした。怖いのだけど次を読み進めてしまうドキドキとワクワクがあります。そこから後半畳み掛けるような疾走感も読む手が止まらなかった。
    ギリシャ神話、そして生命のあり方など壮大な話につながる展開は、果たしてその描写がどこまでリアルかは判断しかねるものの知的好奇心もくすぐるエンタメ。怖い描写はなかなかに想像力をかき立て頭に鮮明に浮かぶのでホラー苦手な人には結構怖いかも。とにかく非日常に入り込んでで「おもしろい!」と感じれる1冊でした。

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    2025年05月27日
  • マイ・ゴーストリー・フレンド

    Posted by ブクログ

    オカルト満載、トレジャーハンターや怪しい秘密組織、騙されて潜入する売れない女優の主人公が後先考えずに突き進む。ギリシャ悲劇を背景に神話の悲劇が形を変えて現在に現れる辺り、こじつけ部分もあるような気がするも、とても面白かった。

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    2025年05月12日
  • マイ・ゴーストリー・フレンド

    Posted by ブクログ

    ▼ハヤカワの新人デビュー作。基本、ホラーと呼ばれるものは読まないのですが、今回縁ありまして。結論としては、文章が良ければ、面白く読めるんだな、と。

    ▼売れない女優の佐枝子が、怪異現象が起こる団地にレポーターとして棲みつくことから起こるお話なんですが、前半途中から、謎の女・春日ミサキが出てきます。もう忘れつつあるのですが、

    佐枝子=売れないけど売れることを諦められないパッとしない30前後。
    ミサキ=どこか自己完結した凛々しい謎めいた25歳前後。

    くらいな印象なんです。
    そして、徐々に物語は色んな怖い怪異とパラレルで「ミサキがなにものなのか」という話が展開して、同時に「ミサキが怪異と対峙、戦い、佐枝子を鮮やかに救う」というヒーローものとしてわくわくしてきて、やがてやや「あれなんだか、そうなっちゃたぜ」的な感じで、<佐枝子とミサキの女性バディもの>になっていく感じです。

    ▼つまりは、「春日ミサキ」が魅力たっぶりに描かれています。
    ただ、この人は割と超人です。

     常人である「佐枝子」がいないと話は始まった瞬間からなんだか間口の狭いオタクコミックめいた感じになってしまって、地に足がつかない。

     なんだけど、読み進めて行くと佐枝子は、怪異現象、謎、つまりミステリの「壁打ちのための壁」に過ぎなくて、キャラクターに魅力を感じない。

    ▼書き手が「春日ミサキ」に愛情とわくわく感を感じて書いたんだろうな、ということがすごく推察されます。それが成功の原因でもあるし、序盤から終盤まで何かが一貫しない闇鍋感の原因でもあるんだろうな、と。

    ▼ただ、文章がコリコリして、でも読みやすくて、諧謔と知性と自分の世界観がはっきりしているの、内容はともかく(笑)読めてしまいます。それは素敵。

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    2025年05月04日

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