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  • 脳の本質 いかにしてヒトは知性を獲得するか
    4.4
    1巻1,100円 (税込)
    なぜ細胞の集合体である脳から自我が生まれ、感情が湧くのか。 どうして相手の心がわかるのか。脳はいかに言語を操るのか。 そもそもなぜ生命を維持できるのか。鍵は、脳がする「予測」と予測誤差の修正だ。 本書では、知覚、感情、運動から、言語、記憶、モチベーションと意思決定まで、脳が発達する原理をひもとく。 子どもの学習や障害、意識の構造も一望。 人類に残された謎である、高度な知性を獲得するしくみを解き明かす。 まえがき  第1章 脳の本質に向けて 脳科学の祖ヘルムホルツ  世界が止まって見える理由  幸運な出会いから科学の爆発へ  サイバネティクス  悪魔的天才と呼ばれたフォン・ノイマン  シャノンの情報理論  人間の能動性と心の発達  予測と模倣  シュレーディンガーの仮説 第2章 五感で世界を捉え、世界に働きかける 知覚・運動機能に関する脳研究の夜明け  ホムンクルスの発見 知覚とは何か  脳内の階層的処理によって生まれる知覚  脳はどのように推論するのか  推論の基本――ベイズ推論  脳の推論メカニズムを探る  フリストンの自由エネルギー原理  予測誤差最小化を実証する  運動制御  知覚と運動の循環  注意機能とニューロン反応の同期  視覚と運動を統合するミラーニューロン  まとめ コラム1 感覚統合――異種感覚を統合する 第3章 感情と認知 感情に関する脳研究の夜明け  感情はどのように決定されるのか外環境と内環境  内臓状態の知覚と運動  ホメオスタシスとアロスタシス  アロスタシスの仕組み  内受容予測符号化  内臓感覚皮質の構造と感情  内受容感覚と自閉症  感情の発達  まとめ 第4章 発達する脳 発達・学習研究の夜明け  人間の視覚野の臨界期  ヘブ則からBCM理論へ  赤ちゃんの手腕運動  じーっと見る赤ちゃん 発達の原理  動機づけのメカニズム  滑らかな運動を司る小脳知識を書き換える赤ちゃん  GABAの役割と神経発達症(発達障害)との関係  まとめ コラム2 ヘブの洞察力 第5章 記憶と認知 記憶研究の夜明け  海馬損傷の患者  過去の記憶は海馬にはないのか  エピソード記憶は多感覚である  海馬の役割  二つの発見――エピソードの予測と時系列化  記憶を再構成する  睡眠は記憶の強化と要約を行う  概念細胞の発見  場所細胞の発見  運動予測――ボールを見てバットを振る  身体化による 認知  メンタルシミュレーションの仕組み  まとめ コラム3 海馬の機能――出来事の順序を記憶し、再生する 第6章 高次脳機能――知識、言語、モチベーション モノがわかるとは何か  二つの視覚系経路  動的概念の獲得から言語獲得へ  意図の理解  言語の基礎とブローカ失語  名詞と動詞の理解  目的語の理解  文の意味理解  チョムスキーの生成文法  予測しながら会話する  モチベーション(動機づけ)とは何か  人間行動の基礎理論へ  再び注意と視線移動行動の決定とモチベーション  予測誤差とドーパミン  好奇心はどこから来るのか  まとめ 第7章 意識とは何か 意識の科学  意識の神経相関  意識の芽生え  ホメオスタシス感情と痛み  自己意識――自己主体感・自己所有感・自己存在感  錯覚  後付け的再構成(ポストディクション)  認知や意識の上書き  メタ認知  人工知能と脳科学の接点――対照学習  まとめ 終 章 脳の本質 あとがき 参考文献 索 引

ユーザーレビュー

  • 脳の本質 いかにしてヒトは知性を獲得するか

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    脳の本質は予測。
    そのために記憶があり、海馬から大脳皮質に出来事がエピソードとして残され、海馬もそのリンクに関わっていく。記憶、知識がベースとなって脳は様々なモデルを作り、ベイズ統計学的な予測を立て、実際に体の内部、外部で感知するずれをミニマイズしていく。不確実性の多寡がネガティブ、ポジティブな感情を生じさせる。それが外部の探索の必要性を作り、意識も生んでいくことになると著者は考えている。
    よって、脳以外の基幹も脳と同じように重要であ。

    0
    2025年05月24日
  • 脳の本質 いかにしてヒトは知性を獲得するか

    Posted by ブクログ

    「人が考えること」「意識的に行動すること」が、脳の各所によって処理されているという仕組みと学ぶ。その脳は、生まれ持ったものだけではなく、育った環境や経験によって発達の度合いも異なり、さらにニューロンという神経細胞の伝達のパターンまでもが変化する――これが、人が「それぞれ違う」ということの科学的な裏づけと言えるのだと思う。

    この前提に立つと、「自分が正しい」と思っていることも、あくまで「自分という存在の中で培われた基準」に過ぎないということが見えてきます。つまり、他人にも他人の脳があり、他人の基準がある。そのことを意識するだけで、人との接し方が変わってくると感じた。

    自分が他人と接するとき、

    0
    2025年04月13日
  • 脳の本質 いかにしてヒトは知性を獲得するか

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    【この本のテーマ】
    人間の脳がいかにして知性を獲得するのかを紐解きながら、その知識を日々の生活に活かしたり、そもそも人間とはなんなのかを考えるきっかけを与える。

    【概要】
    全8章をかけて、脳科学の歴史と脳が持つ機能や学習・発達のメカニズムが述べられている。
    脳の研究自体は古代ギリシャ時代からあるものだが、高次機能研究は1800年代後半にヘルマン・フォン・ヘルムホルツが基盤を築いた。ヘルムホルツは、我々が見ている世界は脳が推論して作り上げているということを提唱したり、「位置の恒常性」を解明したりしたが、さらに重要な発見は「自由エネルギー」という概念を導き出したことだった。自由エネルギーとは、脳

    0
    2025年03月02日
  • 脳の本質 いかにしてヒトは知性を獲得するか

    Posted by ブクログ

    【はじめに】
    自由エネルギー原理の解説書としては今までで一番わかりやすい。著者は『脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか』という解説本も書いているが、こちらは数式もたっぷりで決してわかりやすいとは言えなかった。本書は、新書というフォーマットであることもあり、本の構成も説明もやさしい。本当にわかっている人が丁寧に書くととてもわかりやすいものになるという実例になっている。

    【本書の内容】
    この本の軸は、カール・フリストンが提唱した自由エネルギー原理にある。この原理はあらゆる脳機能が自由エネルギーという評価関数が最小になるように設計されて動作しているというものである。ここで言う脳機能には認識

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    2025年01月05日
  • 脳の本質 いかにしてヒトは知性を獲得するか

    Posted by ブクログ

    脳の本質は「予測する」こと。
    その予測を修正する機能。
    過去、現在、未来の不確実性を最小化する。
    まだ咀嚼しきれていないけれど、とても興味深い内容が多かった。

    0
    2025年02月21日

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