作品一覧

  • 心理支援における社会正義アプローチ不公正の維持装置とならないために
    5.0
    1巻3,300円 (税込)
    個人の問題を自己責任とする傾向・論調への反省から、今最も注目を集める社会正義(ソーシャル・ジャスティス)。これは、その人の抱える困難を文化的・社会的・経済的な文脈で捉え、社会の側に変化を求める考え方である。欧米では盛んなものの、人種差別や性差別に関わるものが多い。そこで本書は、日本風土にマッチした心理支援の実践モデルを紹介することで、学派や理論的背景を超えたこれからの心理臨床のあり方を探り、新たなアプローチを提言する。

ユーザーレビュー

  • 心理支援における社会正義アプローチ不公正の維持装置とならないために

    Posted by ブクログ

    ちょうど関心のあるテーマだったこともあって、興味深く読むことができた。序盤の図を見れば、もはやカウンセリングは、面接室内のやり取りだけでどうにかなるものでもないときがあるということがよくわかる。臨床家は、目の前の来談者の困り事や病理を個人に内在化するのではなく、社会という広い文脈の中で捉える視点を養う必要があるだろう。
    そのための教育や養成プログラムの章は参考になることが多かった。思い返せば、自分が受けた頃の専門家養成カリキュラムでは、生物-心理-社会モデルのうち、生物と社会の側面に関する内容はほぼ扱われておらず、今になってようやく自分で学んでいる最中である。今後、アドボカシーの実践者としての

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    2025年03月21日
  • 心理支援における社会正義アプローチ不公正の維持装置とならないために

    Posted by ブクログ

    心理支援領域で社会にアプローチする本書のような物が出版されるのは隔世の感がある。特に我が国の心理臨床の状況ではなおさらである。20世紀の心理療法のパラダイムシフトでは第1勢力として精神分析・力動療法、第2勢力として行動療法と認知行動療法、第3勢力として実存主義的心理学と人間性心理学、第4勢力として多文化カウンセリング、そして2000年代に体系化され第5勢力と呼ばれるようになった社会正義アプローチとのことで、北米では学会の教育や倫理規定にも影響を及ぼすようになっているとのことである。社会正義アプローチはsocial justiceの訳語だが、正義を入れることの編者の葛藤もあったようだが、編者のカ

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    2025年02月11日
  • 心理支援における社会正義アプローチ不公正の維持装置とならないために

    Posted by ブクログ

    【目次】

     第Ⅰ部 イントロダクション

    第1章 社会正義カウンセリング概要:その歴史と特徴
    1.心理に政治を持ち込むな?
      :社会責任に応える心理学の歩み
    2.治療同盟における「社会的背景」という死角
    3.第5勢力としての社会正義アプローチの興りと特徴
    4.人権に基づくアプローチと心理支援における人権教育
    5.社会不正義への加担を自己監視する批判心理学という視点
    6.おわりに

    第2章 社会正義アプローチにおけるコンピテンシー
    1.社会正義とは
    2.心理支援者の役割の拡大
    3.社会正義と倫理
    4.国内における社会正義
    5.コア・コンピテンシー
    6.アドボカシー・コンピテンシー
    7.多文化

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    2025年01月10日

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