3月より調教師として開業する元ジョッキーの福永祐一氏が数々の名馬、人との思い出や今までの騎手人生や半生を振り返り自身の経験やこれからへの思いを書いた一冊。
もともと騎手への憧れはないところから騎手を目指したことから始まり、勝ち星を上げる中で騎乗に対するコンプレックスを払拭するために藤原調教師に1か
...続きを読むら馬乗りを学んだことや騎乗経験のない小野氏をコーチとして迎えることなど飽くなき探究心が更なる成長を生み2000勝以上の勝ち星をあげるトップジョッキーとして活躍できた理由だと感じました。
長年勝てなかったダービーへの想いや緊張やスランプとの向き合い方、馬との接し方など福永氏の心のうちを知ることができました。
また負けず嫌いではない性格、執着しない性格であることや世間で言われる騎乗論と自身の感覚とのギャップなど本人しか知らないこともたくさん知ることもできました。
落馬事故で引退した天才と言われた父と比較されることへの想いや妻や師匠である北橋先生、前田オーナーや吉原オーナー、先輩の四位氏や同世代の岩田騎手や後輩の川田騎手への想いなど本書で初めて知ることも多くありました。
多くの人の支えでトップジョッキーとして君臨してきたことやその成長の裏側を本書で知ることができました。
巻末には調教師として環境や馬づくり等これからの心構えも書かれていてこれから新しいキャリアへと歩みを進める氏の活躍が楽しみになる一冊でした。