体調不良などにより、十分なキャリアを描くことができなかった著者が、自らの経験をもとにしたキャリアに関する一冊。
キャリア論はたくさんありますが、明らかに成功したとは言えないかたの著書はなかなかないのかもしれません。それだけに、等身大のキャリア論として、参考にしたい部分も多い気がします。
いくつか興味深い記述がありましたが、1つは肩書や学歴を「負債」と定義し、その肩書や学歴を通して自分が何を行い、何を成し遂げたのかを問うことが資産である、というのは考えさせられました。
また、23の成長戦略の中の1番目にふるさと納税をするというのが紹介されていますが、その目的が納税の仕組みを知ること、地方の名産品を知ることを挙げているのも新鮮でした。
前述したとおり、等身大のキャリア論だと思いますので、定期的に振り返りたい内容だと感じました。
▼キャリア資産のバランスシート
<流動資産>
金融資産、動産・不動産
<固定資産>
目標、デジタル社会マインド、独自の構想力・インサイト、実効性のある提案力、自分のコミュニティ、志を共有する仲間との協働、実績、ー減価償却
<流動負債>
金融負債(長期の住宅ローン等含む)
<固定負債>
教育訓練努力(学歴含む)、人脈構築努力、仲間への投資、肩書、組織の看板
<自己資本>
意欲、実行力、徳・教養、心身の健康
▼今日から始める「23の成長戦略」
・お金とデジタルの「壁」を壊す
「ふるさと納税」をする
ねんきん定期便に目を通す
10万円、預金から有価証券に変える
サブスク強者になる
「趣味SNS」でフォロワー100人を得る
「頭のジム」書店と家電量販店に通う
・「敵」を知る
ライバル企業の顧客になる
新規上場会社を分析する
国の資料でマネーの動きを先読みする
上司ではなく、社内を見渡す
・健康資産を増やす
睡眠時間を基本に1日のスケジュールを組む
専門医、カウンセラーを味方にする
家族やパートナーの健康資産を向上させる
運動で老化を遅らせる
・変化するために動く
職場以外で役員になる
「1日5アポ」をやってみる
手を動かす時間、頭を使う時間を分ける
資格・肩書を断捨離する
社長にレポートを提出する
3人のロールモデルを設定する
真の同志を5人集める
未来を考える10分間を持つ
「5年後キャリア」のために働き続ける
<目次>
第1章 世界から後退していく私たち
第2章 社内キャリアチェンジか、転職か
第3章 自分の資産価値を見極める
第4章 今日から始める「23の成長戦略」
第5章 挑戦するミドル世代に未来がある