第一巻の発売を経て、ついに二巻になりました!
今回もとても面白かったです。
とはいえ、あくまでも実際に人の命が奪われてしまうミステリのジャンルにおいて、軽薄な劇を繰り広げるのは、不謹慎ではないだろうかと思われる方もおられるかもしれません。私も若干思わないではないですが、それを言い始めたら、命を守るために戦うヒーローたちが面白おかしい日常を過ごしてはいけないのだろうかと、窮屈になってしまう気がしています。私はウルトラヒーローたちが穏やかな休日を過ごしたっていいではなかろうかと考えますので、こうした展開もそこまで抵抗はありませんでした。
細かなことはネタバレを避けるために伏せておきますが、今回は、一巻よりも推理劇の内容を一歩進めた印象がありました。スマホを使える現代ならではのトリックなど、「おお、なるほど」と思わせる工夫が見事でした。・・・とはいえ、バリバリのミステリファンからすれば、一行読めばわかるかもしれませんが、私はまだまだ素人なので、十分に楽しめました。笑 そうですね、トリックの面白さと、ミステリなのに軽快な劇という具合は、麻耶雄嵩さんの作風に似ているかもしれません。摩耶さんが好きな人にはおすすめです。私も三重県在住なので、ゆかりのある作家さんです。(※友達以上探偵未満 など)
Q.一言にすると?
A.マリリンかわいい!
※
以下、ネタバレを含みます。
感想&個人的雑記となります。
時間の許す方のみ、お付き合いくださいませ。
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ついに零人くんの妹(ではなくいとこ)が現れました。推理が得意なあたり、まさに親戚筋だなぁと。むしろクローズドサークルの関係者が全員迷淵の縁者だったとは・・・人狼を見慣れている人にとっては納得の見応えでした。
今回、私がすぐに見破れたトリックは、誰もみていない密室で爆発が起きた時、そこに閉じ込められていた「はず」の人は、おそらく無事であろうということでした。実際にその通りとなり、しかも彼女が犯人であることもすぐに見破れました。この辺りは、想像通りの展開となる王道の書き方が上手いなぁと思います。数多くミステリを読んでいる人にとっては飽きが来てしまうかもしれませんが、たまに読む人にとっては、想像通りにことが運ぶと、むしろ王道を感じられて楽しめると思うのです。
そして、メルさんとマリリンの絡みももっとみてみたくなりました。マリリンは現時点で既に零人くんのことをいたく気に入っておりますが、メルさんも彼のことを好きになる日が来るのかどうか。うーん、青春だなぁ、すこです。
スマホを使って自動操縦でライフル射撃というのも、FPSは元々、殺人への倫理観を奪わせしめ、ゲーム感覚で人を狙い撃つ技術を向上させるために、支配層があえて流布させている__といった旨に納得してしまうようなものでした。まさに、スマホのタップで実際に人を撃ててしまうのですものね・・・私が好きなパンプキンシザーズという漫画においても、人は人を殺す手応えを潜在的に避けたがるということが書かれていました。どれだけ大義や正義を語っていても、結局自分がしていることの罪悪を、誰もが実感しているからです。その忌避から逃れるためには、相手の肉を、骨を、命を絶つ手応えが感じられないもの、対象と距離が離れる武器が必要なのです。ドローン爆撃や核兵器が開発されたのはその成れの果てとも言えるでしょう。
ドローンはあくまでも軍事作戦に関わる人物が扱うものですから、人を殺す覚悟のある人が扱うものです。けれど、スマホのタップで人を撃ち殺せるレーザーライフルは・・・そうしてみてもまるで手応えのない不気味なものだと思います。ただの一般人が持ってはいけないものでしょう。むしろそんなものを流布させるぐらいなら、私はいっそ日本刀をもった方がいいと思います。自分の命綱と死を意識していることで、他者の命を容易に奪いせしめぬ戒めとなりますし、相手はいざとなれば自分を斬り殺せると思えば、決して安易な侮辱、無礼、失礼な振る舞いはするまいと律することができます。相手の顔が見えないのをいいことに、「れすば」と称して、思考停止の罵詈雑言を投げることがあまりに多いインターネット界隈を見ていますと・・・この人たち、自分が殴られたり、撃たれたり、斬り殺される覚悟なんてないから、こうやって相手を侮辱できるのだろうなぁと・・・哀れを覚えることもありますから。
それにつけましても、命は奪ってはいけないものです。命を奪う手段を日頃から意識しながら、決してそうしないからこそ、強く、それでいてしなやかな倫理観が育つのではないだろうかと、思っております。
とはいえ、爆弾魔の犯人が、寂しさと承認欲求のあまり、人を傷つけない範囲を意識して爆破を繰り返すという様を見ると・・・そうまでしないと、人と繋がれないという孤独を抱えている人も、また多かろうと思うと・・・本当に難しい問題です。お願いですから財務真理教さん、消費税を3〜5年やめて、経済回しませんかと。世の中明るくしませんかと願ってやみません。
※消費税を5年止めた場合、約100兆円の税収機会を失うそうですが、5年で100兆円程度、なんともないのです。なんと言いましても、たった1年で、コロナ予算として100兆円以上使い、しかも今現在(令和6年)、財政破綻していない事実がその証明です。