作品一覧

  • 父・伊藤律 ある家族の「戦後」
    値引きあり
    5.0
    伊藤律(1913~1989)は戦中・戦後の共産党史で謎に包まれた存在でした。曰く「生きているユダ」「革命を売る男」。しかし、それらは日本共産党中央や、尾崎秀樹、松本清張などが貼った誤ったレッテルでした。伊藤の次男の著者とその母は党籍を離れず活動を続けました。それがどれほど苦しいことであったか、ある世代以上の人には容易に推察できるでしょう。本書はイデオロギーと家族の絆が織りなすドラマなのです。

ユーザーレビュー

  • 父・伊藤律 ある家族の「戦後」

    Posted by ブクログ

    戦中・戦前の日本共産党の重要人物でありながら、ゾルゲ事件で
    逮捕・処刑されたリヒャルト・ゾルゲと尾崎秀実の逮捕の端緒を
    つくったとされた伊藤律。

    「生きているユダ」「革命を売る男」のレッテルを貼られ、日本
    共産党からは公に死亡説が流された。

    幼い頃のおぼろげな記憶の中で、突然行方をくらませた父。
    その父・伊藤律が中国で生きていた。伊藤律の次男である著者が、
    30年ぶりの父の帰国、父不在の期間の家族の生活、父を信じ、
    著者と兄を支え続けた母に対する思いを綴ったのが本書だ。

    編集部のアドバイスを受けて書かれたのだろうが、構成・文章共に
    上手く、テンポよく読み進められた。

    0
    2019年03月27日
  • 父・伊藤律 ある家族の「戦後」

    Posted by ブクログ

    一気読みした。著者の感情を抑えながらも冷静に父母の姿を語る筆致にこころが震えた。人は理論では動かず、最後は感情で動くもの。過酷な運命を真摯に生きてこられたのは著者の父母の人柄であり、その信頼感で支えてくれた人達がいたからだと述懐。戦争はかくも人々を狂わす。どんな時代になっても自分の目で見て考えることが必要なのだということを実感した。曇らぬ目を持つためにも開かれたこころで情報を得ることが必要だと改めて感じる。

    0
    2016年09月30日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!