■グリーフワークはどのように進んでいくのか
「グリーフワーク」といえばアメリカの精神科医、エリザベス・キューブラー・ロスが著書「死ぬ瞬間」に置いて提唱した「死の受容過程(死にゆく過程の心理学的段階)」がよく知られている。これはガンなどで死期を目前にした患者が自らの死を受け入れる過程を5段階で示した
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①否認─「自分が死ぬなんて嘘だ」と事実を否認し、周囲から孤立する段階
②怒り─「どうして自分が死ななければならないのか」と怒りに囚われる段階
③取引─何とか死から逃れようと神仏への祈りなどを通じて取引を試みる段階
④抑うつ─死から逃れられないことを悟り、絶望や諦めで気分が落ち込む段階
⑤受容─死を「誰にでも訪れる自然な現象」として納得し、受け入れた段階
この「死の受容過程」モデルは、しばしばペットを亡くした飼い主の心理的段階を説明するのに用いられる。
■ペットロスは、飼い主に人間的成長をもたらす。
グリーフワークの過程でそのペットが与えてくれたものや、命の大切さを実感し他者の悲しみへの共感性が増す。そうした経験はその後の人生の貴重な糧となる。
これを心理学用語では「ポスト・トラウマティック・グロース」(心的外傷後成長)という。