柄谷行人の著作は他によんでいないので、これ一冊を読んだだけでの感想である。
交換様式A、交換様式B、交換様式C、という概念(理念型)を用いて社会の基本構造を分析する、という方法の有効性は納得できる。また、これらの交換様式に基づいて構成されている社会の問題点とその揚棄が望ましいこと、それがいわゆる
...続きを読む共産主義的な社会であることもだいたい同意できる(実現可能か否かは別として)。
私にとってはここまで、後は観念的な議論の繰り返しにしか思えない。
以下、私的なメモです。
・生産物は、交換されなければ商品にならない。
・そもそも、財・サービスが交換される、という ことはその財・サービスを私的に所有している人 間(人間集団の場合も含む)が存在している、とい うことが前提である。
であれば、所有という観念とその実体について 明確にする必要がある。
・原始共同体(氏族社会?)が他の共同体と交換を 始めるのは、どのような経緯によるものなのか?
とりあえず、カール・ポランニーを再読したほうが良いだろう。