戦後の国際通貨体制における三大革命(ニクソン・ショック、全面フロートへの移行、ベルリンの壁崩壊)と総裁在任中の経済政策、円の将来について。速水さんの経済思想が何となくわかるようになる。為替介入を否定して介入は長期的にはバランスシートを書きかえるだけに終わると言ってるとこなんかは古典派っぽいし、一方で
...続きを読む財政政策の有効性を説くところはケインジアン。それなのにケインズのライバルと言われるシュンペーターの創造的なイノベーションを主張していたり、さらにキリスト教が彼の思想の根幹にあるということも意外でした。内外からの批判の嵐に晒された2000年8月のゼロ金利政策解除については「もし反省するところがあるとすれば、もう少し早くそうしておけばよかったという点であろうと思っている。そうすれば解除の機関が短かったことで後になって間違いだと言われなかったかも知れない。」(125項)と書いている。でもニューヨーク連銀総裁のマクドノーさんの言葉を引用してITという新しい産業であるという特性上見通しを立てることが難しかったと書いているから自身の誤りを暗に認めていることになるような気がします。その後の福井総裁の量的緩和政策が功を奏したかに見えるからやっぱり速水さんは間違ってたんでしょうかね。どうなんでしょう。