作品一覧

  • What’s Next? 終わりなき未踏への挑戦

    What’s Next? 終わりなき未踏への挑戦

    ビジネス・実用

    4.4
    1巻1,980円 (税込)
    カメット南東壁、シスパーレ北東壁、ラカポシ南壁と、世界のトップクライマーたちが高く評価した登攀を成功させ、山岳カメラマンとして一流の映像を残し続ける平出和也。 その成功の背景には親しい岳友との出会いと別れがあり、死と隣り合わせの生還劇があった。 生涯の目標として掲げたさらなる挑戦を前に、これまでのクライミング人生を振り返る。 主要な登攀記録にはルート図のほかに、掲載されているQRコードから、本文とリンクした映像を見ることができる。 ※電子版では、QRコードをタップすると動画サイト(Youtube)へ遷移します リアルな登攀映像と併せて読むことで、アルパインクライミングの真髄に触れることのできる1冊。 ■内容 序章 第1章 競技アスリートから山の世界へ 第2章 山と生活の両立を求めて 第3章 シブリンとカメット 第4章 痛恨のアマ・ダブラム 第5章 別れ、新たなパートナー 第6章 二〇一七年のシスパーレ 第7章 越えてきた山、これからの山 終章

ユーザーレビュー

  • What’s Next? 終わりなき未踏への挑戦

    Posted by ブクログ

     この本を読みながら、登山家とはなんという因果な仕事だと思った。著者、平出和也は、青空の曇りのないすっきりとした人だと思った。長野県に生まれ、父親は警察官で、体力を鍛えることは、子供の頃から見ていた。走るのが、好きで、身体は強健で、走る才能がないと感じたから、競歩の選手になった。そして、競歩は郊外の山道で鍛えるうちに、山登りが好きになった。

     平出和也はいう「私には人生をかけて登りたい山がある。私だからこそできる挑戦がある」
     高い山に登りたいとか、8000m以上の山を登りたいということではなく、未登頂は登るが、未登頂の山は少なくなっている。平出和也は、未踏のルートがあれば、そこを歩きたいのだ。今まで、誰も歩いたことがないルートがあれば、今までの人にできていないから、そこに取り組む意味があるのだ。だから、「未踏の挑戦」なのだ。

     本書の中で、「山は命をかけるところではない」と言っている。しかし、山で死ぬ人は多い。
     そして、平出和也は、何度も死の危険を味わっている。遭難事故は小さなミスが重なって起こる。その小さな兆候を危険として察知できるかどうかが大事だという。危険察知能力が高い、だからあと少しで山頂に到着すると思っても、危険を感じたら撤退し下山する。撤退したことが敗北ではない。いつでも、また挑戦はできる。判断力が優れている。しかし、
     2005年10月のシブリン北壁(6,543m/インド)パートナーである谷口けいと未踏ルートを挑戦し、平出和也は凍傷で右足の指の先っちょを失う。
     2011年のアマダブラム北西壁(6856m/ネパール) ドイツ登山家ダーフィットと登り、山頂まで350mのところで撤退を決断した。そして、救助しにきたヘリが墜落し、パイロットと助手2名が死亡した。その後に来た、ヘリで救われた。
     そして、数々の登山のパートナーだった山口けいも、43歳で雪山で遭難して死んでいる。
     植村直己は、「冒険とは生きて帰ることである」と言って、43歳の時にマッキンリー山で遭難し死んだ。登山家で、アルプス三大北壁の冬期単独登攀の成功は世界初の長谷川恒男も、43歳でカラコルムの山で雪崩に巻き込まれて死んでいる。冒険家には、43歳の壁があるらしい。平出和也は、45歳だった。

     平出和也は、「死は決して全ての終わりではない。肉体は失われても魂は私の心の奥底で生き続けている」という。確かに、人間は100%死ぬ存在であり、死ぬから生きてもいる。

     この本から、平出和也の文章の行間に、死の恐れが深く存在している。挑戦とは、人との競争から出てくるものではなく、常に自分の心の中で行うものだ。だから基準はいつも自分の中にあるという。
     まさに、孤高の精神が、自分の中に宿っている。 

    0
    2025年07月11日
  • What’s Next? 終わりなき未踏への挑戦

    Posted by ブクログ

    平出和也さんの名前は、残念ながら亡くなって知り、テレビのドキュメントで更に偉大さを知った。

    それでこの本を手に取った

    未踏ルート、未踏峰に挑戦、準備、判断、決断、振り返り、再挑戦、歓喜、命

    全てが良かった。未踏峰、未踏ルートを自ら発見し挑戦。以前、挑戦し敗退した隊にもリスペクトを忘れない姿勢に心を撃たれた

    人生も同じだろう、未踏ルートの開拓だろう

    P302以降の文は、平出和也さんが思っていた事が詰まっていて、クライマーの真髄なんだろうと

    ありがとう、平出和也、会ってみたかった、話を聴いてみたかった

    0
    2025年04月21日
  • What’s Next? 終わりなき未踏への挑戦

    Posted by ブクログ

    言わずと知れた登山家。登山家としてとても凄い人だけど一方で谷口けいさんとの間で考え方の違いですれ違ったりした部分なども記載されてて人間味を感じた。

    0
    2025年01月16日
  • What’s Next? 終わりなき未踏への挑戦

    Posted by ブクログ

    2024/7/30 とてもショックなニュースだ。平出さんは、中島さんと共に未踏のK2西壁での登頂を目指していたけど、27日に滑落、助けられない位置、状態で、三日目、2人に動きがないことから救助活動を終了することになってしまった。困難な道だからこそ、誰もが簡単には助けられない場所となってしまった。
    もっと活躍を見たかった。
    ———————————————

    平出さんは、アルパインクライマーであり、山岳カメラマン。
    アルパイン・クライミングとは、極めて傾斜のあるような山岳を移動する登山やロッククライミングなどのこと。
    かなりハードな環境の中で、体力、忍耐力、精神力が必要。
    上村直樹冒険賞と、ピオレドール賞を3回受賞。

    たまたまNHKで平出さんの特集があり、「これはすごい」と興味が出て、書籍があったので読むことに。

    巻頭にはカラー写真、本文にも写真がある。
    また、QRコードが所々にあるので、それを読み込むと映像も見れる。この仕組みはいいな。

    平出さんのこだわりは、未踏峰、未踏ルートで、初めてそのルートを登攀(とうはん。よじ登ること。攀はよじ登る、すがりつきながら登るという漢字)するということだ。

    酸素のすごく少ないところを登る。
    できるだけ荷物を軽量化するため、食べ物を少なくする。
    ものすごく体力がいることなのに、食べ物を少量で済ませるなんて。

    NHKの特集でもたくさんのことが伝わってきたが、この書籍でもそれが伝わってくる。

    悲しい体験も辛い体験も幸せな体験も。
    自分も冒険した気分になった。

    0
    2024年08月02日
  • What’s Next? 終わりなき未踏への挑戦

    Posted by ブクログ

    なかなかおもしろかった

    日本が誇るトップクライマーの平出和也氏が書いた本ということで購入。著者の登山にかけた半生が綴られている。ピオレドール賞を受賞し、テレビ出演などもしている著者だが、何がすごいのかなんとなくしか分からなかったが、本書を読んで少しは理解した気になれた。6000mを越えるような高山の未踏峰、未踏ルート踏破の能力が他者の追随を許さないのだろう。エベレストには撮影で3回登って楽しかった、というようなことがコラムに少しだけ書かれており、そういう山がフィールドではない。

    本書は著者のこれまでの登山を、写真や映像(QRコードでプライベート設定のYou Tube動画が観られる)、登山ルートの挿絵などをはさみながら書かれており、多角的にエンターテイメントとして楽しめた。

    タイトルの通り、著者はまだ現役で野心を持ったクライマーではあるが、43歳という鬼門(本書にも記載あるように植村直己はじめ多くの冒険家が命を落としている年齢)でもあり、また最終章で綴られている多くの再起をかけた登山で区切りとなったこともあり書かれたのだろう。

    ただ各登山は、スラスラと書かれており、記憶に残らない描写も多かった。著者はプロとして真面目で冷静な方だというのがよく分かるものの、本の中身としては、負の感情も含めた内面のことを小さなエピソード等でもいいのでもっとたくさん書いてほしかった。なぜ未踏にこだわるのか、何に影響されたか、誰に嫉妬したか、許せないことはなかったか、死に対する考え方、など。ぜひK2でのチャレンジを終えたらどんな題材でもいいのでまた本を書いてほしい。



    0
    2023年03月10日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET