著者のリード・ホフマン氏は、Linkedinの共同創業者で、投資家としてもFacebookや Airbnbなどに貢献した。現在はベンチャー投資家。
本の帯にある通り、グローバル企業の創業秘話が数多くまとめられている。秘話の中から参考にすべきエッセンスも抽出してくれている。とても参考になる。
備忘
...続きを読む録。
・スケールの可能性が高い名案ほど、もっとも非現実的に見えることが多い。
・「電撃的なひらめき」は神話にすぎない。成功する起業家たちは、すでに落ちているアイデアを探し、味方を作り、機会を伺う。見つけたアイデアがどれもコレもモノになるとは思わないこと。しかし、上手くいかなかった経験も、次につながることはあるかもしれない。長く自身のアイデアに固執するのはよくある失敗。自分で考え込み過ぎず、周囲に当ててみるべき。
・スタート時に抵抗に出くわすのは、むしろ吉兆。ビッグアイデアとはそういうもの。周囲の「ノー」には、「中身のあるノー」がある。煮え切らない、懐疑的な反応を示すノーなどそれ。それを参考にアイデアを修正する。「正当なイエス」は一つあれば十分。積極的に自分のアイデアを周りにぶつけてフィードバックをもらおう。
・最初から拡大を狙わない。スケールの第一歩は、スケールを求める己の欲望を断ち切ること。スケールした企業をよく見ると、熱狂的な初期ユーザーがいたケースが多い。スケールの前に、彼ら初期ユーザーからフィードバックを受け、丹精込めて愛されるものに仕上げる。
・従業員を家族と呼ぶのは誤魔化しに過ぎない(Netflixの方)。無条件の愛がある家族である必要はない。例えるならスポーツチームであるべき。抜群のパフォーマンスと、正直にフィードバックし合うこと。何が会社にとって(チームにとって)一番いいかを考えること。⇆従業員ファーストを貫いたスターバックスもある。
・組織を乱す人物を見分ける質問。①自分を助けてくれた人の名を挙げられるかどうか。②自分がその人の部下になりたいと思うかどうか。
・組織を真にスケールアップするには、習得した知識を捨て去ることも必要。ここまで辿り着いたか方法では、そこから先へは進めない。
・知ったかぶりはよくない。我々は永遠のベータ版。常に学び続けるべき。同じやり方、同じ戦法が延々と機能し続けることはない。不完全を恐れてはいけない。絶えず改良していけるようにフィードバック・ループを作っておきたい。これは手抜きやノープランとは異なるのだが、作品は早く頻繁に見せるべき。
・フィードバックにおいて、一般論や大衆論は当てにならない。口うるさい顧客のフィードバックが有効。Facebookはハーバード大学の学生向けサービスとして始まったが、これを他大学に展開するときに多くのユーザーからブーイングが起きたらしい。写真のタグ付け機能を作るか検討した時も、不要論が多かったらしい。他には、コレだけの健康ブームでもマクドナルドのハイカロリー品がしっかり支持されている。
・リーダーシップの取り方は、ビジネスのステージによって変化すべき。
・徹底的な透明性が上手く機能するためには、組織内の人々が、意思決定者の決定理由をハッキリとオープンにする必要がある。また、組織内の人々が不満や意見を言う権利と、決断を下す権利を混同しないよう注意した運営が必要。そして、たとえ意見は違っても、同じチームの一員であるという共通認識ぎ必要。
・リーダーの任務は、チームに方向性を示して、メンバーの進行を邪魔するものを片付けること。