横田祐美子の作品一覧
「横田祐美子」の「アートとハラスメント なぜ起こる? どう起こる?」「女の子のための西洋哲学入門」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「横田祐美子」の「アートとハラスメント なぜ起こる? どう起こる?」「女の子のための西洋哲学入門」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
「グノーシセアウトン」(汝自身を知れ)
古代ギリシャ語のこの言葉から始まる、「思考する人生」への賛歌のような哲学入門書。
現代の「女性」哲学者20人による執筆であることはもちろん、翻訳者も全て「女性」哲学者、その数13人!
白人男性主体の西洋哲学にあって、白人のみならずアジア系アフリカ系であったりする女性哲学者達が、20の項目それぞれについて、確固たる哲学の知識とともに、もともと「男の子用」だった世界に「男の子用」ではない場所を作るために、全ての人に開かれるべき門を作ってくれている。タイトルには女の子とあるが、もちろん全ての人に、だ。
ただやはり、女性として、白人以外として、抑圧された経験があるからこその、エンパワメントされる内容ではあり。
ある時代のある場所に於いては、白人の奴隷であって、男性の為に尽くす存在であって、中絶などもってのほか、学問など必要無く、黙って言うことを聞くものであった側、自分の本心をひた隠す側だった者達。
考えることを放棄しなければ生きられない、そもそもそれをおかしいと思うこともない、そんな時代にあっても、考え、実行した人は居た。ボーヴォワールをはじめ、フリーダ・カーロ、ハンナ・アーレント、マーガレット・アトウッド、ジュディス・バトラー、、、この本で初めて知ったアンナ・モランディという解剖学者、「闇の左手」のアーシュラ・K・ルグウィン、ラディカル・フェミニズム運動の成果として「コンシャスネス・レイジング」を興したシュラミス・ファイアストーン、、みんなそれぞれの仕方で、思考し、表現した。
様々な実在する/した女性と、物語や映画のなかの女性を例に挙げながら、アイデンティティ、自己知、論理学、科学、人種、ジェンダー、怒りなどについて、回り道を敢えて選ぶようなやり方、つまり哲学していくことが、どんどんと内部に潜っていく感覚の思考実験のようであり、とても深く苦しく心地良かった。
例えば「言語」の章。実際には全ての人に当てはまるにも関わらず、ステレオタイプ的に女性に用いられることが多い言葉について。
「がさつabrasive」「感情的emotional」「小うるさいstrident」などなど、それら記述と評価を混ぜこぜにする言葉のことを「厚い語」と呼ぶ。これを会話に使用することで、反論する為の労力が二倍にも三倍にもなりまた、正確に反論することが難しいそうだ。「そんな意味で言ったんじゃないよ」で済まされてしまう。
「技術」の章ではフランケンシュタインを例にとり、技術と倫理哲学について深く考察している。chatGPTや画像生成、生活が便利になり人によっては楽しめるこのような技術の無邪気な害について、アルゴリズムによる相対的な結論を客観的とみなしてしまうような倫理観の欠如について、考えるべき点があまりに多いなと感じた。
「吟味のある人生を生きたい。」
今はこのように言葉にして表すことができるが、若い女であった頃、どうしたいかわからないが、ただ楽しいだけで良いというのは違う、という感覚が常にあって、そうすると「生意気」「否定的」「和を乱す」などネガティブなイメージがついて回り、好き好んでそう思われたいわけではもちろんないのでイヤな気持ちになることもあった。
歳を重ねて、フェミニズムに出会い(自分の考え方に名前がついたような気持ち)、ハイデガーの「存在と時間」で決定的に哲学の世界に落ちて、深く潜るように思考を巡らせることが自分が「生きている」感覚なのだとわかった。
本のなかに何度となく出てくる「批判的に思考する」ことは、決してマイナスではないのだと改めて勇気を貰えた気がした。
ボーヴォワール、読まねば。読みたい本がたくさん増えた!
Posted by ブクログ
自由に生きるための知性
これはいってしまえば=教養なのかなと思った
第一部が特に心に残った
教養を学ぶ意義
教養と社会の関係について整理できた
いま、教養が大事だと改めていわれている理由
→教養から専門知に傾いて
専門家と一般人のコミュニケーション
が上手くいかず、さらには
非対称な垂直な関係になり
専門家と一般人の間の信頼が崩れた
→終身雇用制度が崩壊しており
学び続ける力が必要になってきている
=エンプロイアビリティ
一方で、教養・リベラルアーツとは、
それがある人とない人を隔てる垣根であり
いま社会から求められている教養との間に
ジレンマがある
いま求められている教養とは
他者に対して「開かれ」ていること
新しい自己に出会うこと
その後の章では、差別、好きって何、読書のすすめ、など専門家からの細かな話になるが
「いまの自分の枠からはみたでたものを学ぶ、触れることで、新たな自分を発見する」こと
の重要性が通底しているなと思った
感想
上田先生が言ってたいわゆる量産型の奴隷のような学生だったな自分…
そして色々みているつもりだったけど、自分の好きの中でしか出会えてないかも…
めちゃくちゃ井の中の蛙だな自分…
てか文中の引用がハードすぎて付いていけない…
と落ち込みそうになりました
しかし相手は大学教授たちなので仕方ない
というか、
教養の持つ分断の意味合いにジレンマ感じつつ
インテリたちの共通言語を使いすぎてやしないかい?とツッコミを入れながら読みました
単細胞の私には少々難しい本でしたが
1ヶ月くらいかけてゆっくり理解しました
おすすめの本がたくさん出てきて
読書リストがどんどん伸びる
時間を空けてもう一度読みたい作品
Posted by ブクログ
連続読書会に参加したことで、ようやく読み終えることができました。タイトルにある「女の子のための」という言葉が印象的で、あえてそう名付けられていることに深い意味があるように感じました。
読んでみると、正直わたしには難しく感じる部分も多かったです。でも、女性哲学者の視点から語られる哲学は、これまでの「哲学」のイメージとは違って、実体験に根ざしたものが多く、心に残る言葉がたくさんありました。
知らなかった学問分野や考え方が散りばめられていて、「わたしが知らないだけだったんだ」と気づかされる場面も。自分が何かを「思い込まされている」ことに気づくこと、そしてそこから一歩踏み出して行動することの大切さを教えてくれる一冊でした。
哲学って、もっと遠い世界の話だと思っていたけれど、実はすごく身近で、自分自身の生き方にもつながっているんだなと感じました。