加納邦彦の作品一覧
「加納邦彦」の「強い将棋ソフトの創りかた」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
Posted by ブクログ
最近は以前ほど指さなくなったが、将棋には長く親しんでおり、そのAIの裏側には強い興味を抱いていた。専門的な内容ゆえ、上原隆平著『はじめてのアルゴリズム』のような難解な解説が続くことを覚悟してページをめくったが、意外にも分かりやすい雰囲気に満ちていた。
将棋愛好家にとって聞き慣れた用語が多用されているため、AI全般、そして将棋AIの仕組みを理解する上で非常に相性の良いテキストだと感じる。
本書で触れられているミニマックス法やモンテカルロ木探索といったアルゴリズムは、Web開発など他分野にも通じる知識だと思う。チェスや囲碁との比較、Pythonが選ばれる理由などの背景知識も充実しており、現代のAI技術の潮流を俯瞰することができた。
コンピュータ特有の作法に触れた時、将棋の盤面は81マスあるが、座標が「80」までしかないことに一瞬戸惑った。それが「0番」から数え始めるプログラミングの常識だと気づいた時、自分はまだコンピュータの思考に慣れていないのだと思った。また、AIへの取り組みがまだ浅い自分にとって、GPUの重要性を再認識できたことも大きな収穫だ。
序盤から「コンピュータ将棋大会」への参加方法が記されている点には、著者の「形にして外の世界へ飛び出してほしい」という強い願いを感じる。将棋AIを学ぶ上での良書であると感じたのと同時に、自分の学習の現在地を教えてくれる一冊になったと思う。