山を所有したいという密かな願望がある。
最近では、ヒロシのソロキャンプやコロナ禍でのリモートブームで実際関心を持つ人も増えているらしい。
本書は、実際に山を買った人の体験談から、物件探しのウェブサイト、売買や相続に至るまでの実務を広くカバーした実践書。
キャンプ、資産価値なとさまざまな動機がある
...続きを読む中で、山を保有してよかったこととして、「安心感」を挙げる人がいるのは印象深い。資産価値といった意味のみならず、自然に抱かれることからくるより根源的なもののようだ。
私は山は持っていないが、登山しているときに似たような感慨を抱くことはままある。
が、冷静に考えると私は壮絶な花粉症持ちなのであった。杉や檜の山が資産価値が高いと言われても薬代で吹っ飛びそうである。
ともあれ、自然に親しみつつ資産運用しつつコロナ対策でもありつつ、現代日本における環境問題にも直結する、という面白いテーマであることは間違いない。
というわけで(著者はその意図はないと明記しているものの)、マニュアル的に面白い本だが、カーボンニュートラルを目指す政府の取り組みなどに対する著者の寸評が率直に言って浅すぎる。
所詮はお金儲け、という思考回路はつまらない。ボランティア精神では続かないことをどうやって持続可能にしていくかをみんなで考えているわけなので。
自然を適切に守り管理する上で、ビジネス嫌いはかえって害になる、そういう時代がきているとおもうのだが。