ヌーヴェル・ヴァーグを代表する監督の一人であるフランソワ・トリュフォーの長編デビュー作である『大人はわかってくれない』のシナリオ。
日本でトリュフォーの解説と言えばこの人である山田宏一、またSSWで映画音楽の作曲も手掛けている世武裕子も解説を寄せている。
フランスの映画シナリオのフォーマットがどの
...続きを読むようなものなのか自分はわからない。
なので本著が元のシナリオをそのまんま翻訳したものなのか、それとも日本の映画シナリオのフォーマットに置き換えたものなのかは判断出来ない。
だがそれはわからないにしても本著はとてもよく出来ていた。
『大人はわかってくれない』の瑞々しさ、心に残っているシーンが頭に思い浮かんできた。映画を改めて見直したいという気持ちにさせてくれる。
またシナリオと映画を見比べてトリュフォーの演出を考えるのも楽しいだろう。
シナリオはただでさえ読む機会が限られてくる。日本映画であれば月刊シナリオや年鑑代表シナリオ、また名脚本家の著作や稀に映画のパンフレットに記載されている程度だろう。
それが洋画となると外国語が出来ないと読む機会はほとんどない。
そんな中で土曜社のこのシナリオブックは洋画の名作のシナリオを読む機会を与えてくれた。
本著はシリーズということで、今後また名作のシナリオが読めるかもしれない。
今後の展開に期待したい。本当に値段上がっても良いのでお願いします!