私にとって良き下すことはほぼほぼ不可能内容。「理解できた、泣いた」というのは容易いが、所詮欺瞞に感じる・・あらすじを書き並べたところで感想・レヴューとは思えない。
筆者は祖国シリアを出たのち、3回故郷に戻っている。1年かけて、同胞の呻きを見聞きし世界中にこの「場面」を伝える事を約して。
自身が今の
...続きを読む権勢を握るアサド大統領 イスラム教アラウィー派の一族でありつつも、反アサドの立場をとるため逮捕拘束を経て国を脱出している。ドキュメンタリー作家であり歌人の筆者は、1作目「交戦」で革命の始まりと最初の日々を綴った。だが、語り部を演じる架空の人間という設定へ、次は「千夜一夜物語」というカムフラージュのモノに「現実と対峙」するべく自身から遊離する手法をとった。
半分ほどまで、読みながら感触が曖昧で読み辛かったのはそれもある。一番つらかったのは固有名詞が非日常という事~酷似するものが多いのは参った。巻末に簡単な言葉の説明はついているがモノにできるのはなかなか。
イスラム国家のドキュメンタリーで「実父が娘を性的奴隷にし、命をかけて戦う」若い女性の番組を見た・・この作品中にも筆者がとあるアミールとの対談中で「戦争のことは男に任せておきなさい」という語がある。
筆者自身、「インターネットとコンピューター端末は不可欠。精神的支援の教育も然り」と述べている。
生と死が隣り合わせの日常で正気を保てるのか。民主主義革命を宗教戦争に変貌させている現実は21世紀が終わっても続くのではないかと思わせられた。
ムカシ、キアロスタミ監督の「オリーブの林をぬけて」という映画をふと思い出した・・平和な空気、風がそよぐあの風景は宗教という名のもとに血が流れ肉片が飛ぶ現状となっているのか。
全滅し無いために9カ月ごとに妊娠し産んでいく。子供があたしたちの権利を回復してくれる!教育と闘争を願って。
大国はシリアという舞台でいくつもの軍を動かし火葬戦線に資金を投げ込み続けゲームを継続。シリア革命は盗み取られ宗教戦争と化した。。この後は声を聴き続ける事しかできないのか
訳者柳谷さんの無念も痛いほど伝わってくる。