作品一覧
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
あぁ…読んでしまった。今でも「朝日新聞社きっての名文家」と
呼ばれる深代惇郎の天声人語である。聖俗と「最後の」と銘打った
3冊での復刊のうちの1冊である。
1975年に46歳の若さで白血病で亡くなっているが悔しくなる。
こう少し生きていてくれたら、私は深代氏の文章をリアルタイム
で読めて理解も出来る年齢になっていただろうに。
それだけに、私にとっての深代氏は特別な存在である。深代氏と
同じ世代で、読売新聞の記者であった本田靖春氏の文章はかろう
じて読むことが出来たのだけれどね。
政治を批判する鋭い視点、抜群のバランス感覚、短い文章のなか
で過不足なく表現する力。もう脱 -
Posted by ブクログ
専門学校時代、短文を書く練習をした。お手本は朝日新聞朝刊コラム
「天声人語」だ。まずは毎日、書き写すところから始めた。今でも
休刊日以外の毎日、書き写している。それで文章が上達したかと聞か
れれば、はなはだ怪しい。
文章を書くことを仕事にしていた時期がある。長い文章を書くのは
簡単なのだ。形容詞を多用し、だらだらと書いて行けばいくらでも
行数が稼げる。
だが、過不足なく短文で要所を抑えた文章を書くのには難儀する。
今でも苦手だ。実は本の読後感も「1000文字以内」という目標を
設定しているのだが、なかなか目標通りには行かない。
「天声人語」には歴代の書き手がいる。なか -
Posted by ブクログ
深代惇郎氏が天声人語を執筆していた頃、僕は小学校低学年だった。
そして僕が小学校5年生になり、中学受験を目指し始めた頃、「深代惇郎の天声人語」を買って読むようにというのが、通っていた進学塾からの指示だった。
おそらく、ここから国語の試験問題が作られることもあったろうし、天声人語というのは一つ一つの作品が長くないので、読解力をつけるための練習問題としても格好のものだったのだろう。
あまり真面目な受験生でなかった僕はすべてを読むことなど到底できなかった。ましてや、天声人語が取り上げる政治問題なども小学生にとっては難しい。
しかし、本書のP.61に出てくるサリドマイド薬害訴訟の和解についてかいた「手