昨今のコロナ禍で、感染症関連の本が異様に充実している。で、今回は「ペスト」もの。14世紀に当時の人口の約3割以上が死亡したというまさに最悪のパンデミックだ。患者の隔離、検疫、都市封鎖等々、コロナ禍でも行われている対策は14世紀のペスト流行時に起こったとか。
ここ半年で感染症の本を多く読んだこともあ
...続きを読むって、既知の内容も多かったのだが、今回注目したのは「衛生」にまつわる話。本書に描かれている14世紀ごろの欧州というかキリスト教圏は相当に汚かったようで、コンスタンチノープルに行ったモロッコ人(イスラム教徒=沐浴の習慣がある)は「不潔」と感じたようだ。当時のイギリス国王エドワード3世は、1カ月に1回しか入浴しなかった!とか。
さすがに今はそれほど不潔じゃないと思うが、日本のコロナの患者数、死者数が少ない「ファクターX」として、「高い衛生意識」があった。何か今も続く衛生習慣の違いが、コロナの感染者、死者数に影響しているのだろうか。
感染症本も、そろそろおなか一杯になってきのたが、買いあさり、読みあさりには格好の時期だ。感染症は撲滅できると思われていた時期もあるようだが、エボラ出血熱、エイズ、SARS、新型インフルエンザ、今回のコロナ……と、いつの時代も新興感染症が起こっている。
感染症の知識は、もはや“現代の教養”なのかも。