夏川優希の作品一覧

斬新な着眼点とテンポの良さ、綺麗な絵が噛み合った良作です。面白すぎて一気に読んじゃいました。しかし、カタリナはドジっ子というレベルではない(笑)

　よくあるゲームの中の教会と勇者の関係に近い、独特の世界観を持つ世界を舞台に、何かと死にがちな勇者など独特すぎる個性を持つ勇者と、その復活に休む暇のない新刊のドタバタコメディ。

　そんな中、知略を尽くしてアクシデントを休暇に置き換えたい神官の目論見と誤算な物語を軸にシリアスとコメディをいい塩梅で散りばめつつ、新たな問題な予感を漂わせて次巻へ。

　割とベタなヘンタイが揃っているが、世界観が独特なのでベタな方が活きると思うのでよさげ。
　巻末に特典小説付き。

　４巻なので基本構造は割愛。
　そして完結巻。
　完結なので、風呂敷をたたむため多少急ぎ足になるのも仕方ない部分もあるかもしれない。
　ちょっとご都合じみた印象もなくもないけれど、仕方のない場面か。
　大きな災厄に、この世界独自の戦略で挑み、主人公ならではの環境を活かして終息する。
　そんな奇麗なラストという事もあり、シリーズを追って読んでほしいので詳しくは語らない。

　この世界観でのスピンオアフというのも難しいかもしれないが、なかなかほかにない切り口が面白かったので、こんな世界をまた読みたい。

　３巻なので基本構造は割愛。
　設定が浸透した頃合いで、キャラも増やし大きな事件と小さめな事件を織り交ぜ、シリアスとコメディも織り交ぜ、いい塩梅の進展を見せる。

　前巻ラストの謎の人影と死体の山から、拷問魔や中央からの視察など、舞台を活かした展開が面白い。
　なんとなく展開は読めてしまう部分もなくもなかったが、この手の作品で先が読めると言うことは、舞台設定や世界観が過不足無く読者に伝えられていると言うことで、見事。

　準主役的位置にいた気がするカタリナ嬢の活躍が少ない気がするのが残念な気もするけれど、要所要所にしっかり活躍してられる気もする。