アリエット・ド・ボダールの作品一覧
「アリエット・ド・ボダール」の「黄金の人工太陽」「茶匠と探偵」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「アリエット・ド・ボダール」の「黄金の人工太陽」「茶匠と探偵」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
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Posted by ブクログ
目次
・蝶々、黎明に落ちて
・船を造る者たち
・包嚢(ほうのう)
・星々は待っている
・形見
・哀しみの杯三つ、星明りのもとで
・魂魄(こんぱく)回収
・竜が太陽から飛びだす時
・茶匠(ちゃしょう)と探偵
今まで読んだことのないタイプの作品でした。
シュヤ宇宙という、独自の世界を舞台にしているのですが、それぞれの作品に関連性はありません。
アジアを彷彿させる大家族主義、先祖崇拝、長幼の序、親孝行、輪廻転生、観音信仰等、私たちにも身近なそれらが、シュヤ宇宙に住む彼らの日常に深く影響を与えている。
しかし人々は死んでも、その記憶はデータ化されその多くは子どもに受け継がれる。
多くの御先祖様と実際に暮らす生活。
彼らの住む大越帝国は、過去に大きな内戦を経験している。
また、支配する民族と支配される民族に分かれているのに、包嚢を身につけることによって、見た目も文化も支配者の方に合わせていくうちに、アイデンティティが崩壊してくなど、遠い宇宙を舞台にしながらまるで現在の世界のことを書いているかのようでもある。
私たちの住む世界との最大の違いといえば、宇宙船は船魂を持って、人間の女性から生まれてくること。
宇宙船はあくまで機械なのだが、精密に設計された機械を女性の体内に入れ、母体に育てられることによって有機的な思考や判断力を身につけ、生まれてくる。
もちろんそれは母体にとって、とてつもない苦痛と危険を伴うので、生活のためにそれを受け入れるという階層の人たちは一定数いる。
船には母を同じくする人間の兄妹がいて、いとこがいて…。
船は深宇宙に人間を運ぶ。
深宇宙は肉体的にも精神的にも人間に深いダメージを与えるので、性能の良い船が必要となる。
深宇宙で死んだ人間は宝石になる。
そういう世界のあれこれ。
世界についての細かな説明は特にないので、読みながら少しずつ知ることになる。
それが楽しい。
設定が突拍子もないので、脳内で視覚化することもできなかった。
それでも、人々の哀しみ、あきらめ、怒りなど、ストレートに心に刺さった。
タイトルの茶匠は、船です。
人間が深宇宙に行くときに精神が壊れないように、その人に合わせて調合されたお茶(という名の合法的麻薬じゃないかな)を提供する船。
イメージできんが、そういうこと。
Posted by ブクログ
作者はフランスとヴェトナムの血を持つフランス人。
9編の中・短編集は、いずれもネビュラ賞・ローカス賞などを受賞した作品で、同一の世界観の舞台をもとに、本編以外にも数多くの作品が世に出ている。
物語の世界では多分にアジア的な要素を盛り込んで、独特の舞台を作り上げているが、どこか、欧米人が抱く日本像の映像化された作品を見た時と同じ歯がゆさを感じるのも、奇妙な味わいの要素として、プラスに働いていると思うこともできる。
どう解釈すればいいのかわからない単語が、何の解説もなくやってきては消えていくことも、なじんでくれば、この不思議な物語の本質の中に浸かることになる。
ヴェトナムは、過去から中国王朝と密接に関係し「南越」「大越」「越南」などの表記にて記録が多く残っている。さらに、日本とともに中国元朝に征服されなかったアジアの国の一つで、紀元前より歴史を持つ国。
ヴェトナム戦争のイメージが強く、なかなか本質が理解されにくい国でもあるが、器用で勤勉な国民性から、良質の労働力の場として近年急成長している。
日本SFや華文SFとは一味違った、アジア的SFを垣間見た。
Posted by ブクログ
現代スペースオペラのアンソロジー。スペースオペラとは言うじょう、波乱万丈ではまったくない。
〇イアス・S・バッケル「禅と宇宙船修理技術」ーロボット宇宙船が宇宙戦に生き残った戦争を起こした冷酷な独裁者の救助命令に逆らえないが。
・ユーン・ハ・リー「課外活動」ー七連合王国もの
〇アーカディ・マーティーン「あなたが王だと思っていたすべての色」ー女王のクローンが女王との決闘に臨み反逆を企てる。
〇アレステア・レナルズ「ベラドンナの夜」20万年周期で銀河を周回し記念イベントを行うが、実は種族は滅びている。哀愁漂う
・T・キングフィッシャー「金属は暗闇の血のごとく」
・チャーリー・ジェーン・アンダーズ「時空の一時的困惑」ーカルト惑星に侵入し盗みを企てる。ハチャメチャ喜劇
〇アリエット・ド・ボダール「包囊」ー母惑星から独立した宇宙ステーション人は母惑星の文化を装うため包囊を身に着ける。ベトナム系フランス女性作家の作品
・セス・ディキンソン「モリガン、光へと落ちる」)
〇ラヴィ・ティドハー「背教者たち」ーユダヤ教の背教者を探るため派遣された裁定者が背教し。
〇ベッキー・チェンバーズ「善き異端者」ーウィルスが寄生し超空間ナビゲート能力を得るが、共生がうまくいかずに。
〇アーニャ・ジョアンナ・デニーロ「クイーンズスロートへの旅路」ーMTFらによる女権帝国に対し男権主義者が反乱を起こし一時は帝国は滅亡しMTF狩が始まるが。
・アン・レッキー「審判」
〇サム・J・ミラー「惑星執着者」ー故郷の惑星へのゲートが閉じてしまい宇宙を放浪する男娼が武器商人と会い故郷の通貨を見つける
・カリン・ティドベック「スキーズブラズニルの最後の旅」